100万PVありがとうございます

なかなか更新できていない当ブログですが、先日100万PVを突破いたしました。約10年間運営しており、長い期間運営できたということは一つの実績、自信になっています。月刊以下くらいの更新頻度だったので、来年はもっと更新頻度をあげられるように取り組んでいきたいと思います。

今年最後は無重力! ゼロ・グラビティの恐怖

人は宇宙で彷徨うと、とっても、焦る。デブリ怖いぞ!

夕方、大阪シネマステーションで「ゼロ・グラビティ」を観に出かける。3Dで鑑賞! いやもうすごい迫力満点ですさまじい映画でした。鑑賞するのにもなかなかパワーいるわーこれと思いました。遊園地のアトラクションよりもリアルで、自分の経験した過去の最大限の孤独感とか窒息しそうな気持ちとかをグイグイ思い出してしまいました。

船がデブリ(宇宙に漂う人工衛星の破片などのゴミ)にぶちあたって宇宙空間にポコンと放り出されるライアン(サンドラ・ブロック)とコワルスキー(ジョージ・クルーニー)。完全に放り出されると酸素がなくなって確実に死ぬという状況もあり、2人は必死に命をつなごうとする。作中、ずっとライアンの息遣いが聞こえてくる演出が「酸素なくなる感」溢れている。

観客としては「はよ! はよ! なんとか! ひとつ!」と応援というか手に汗握ってヒヤヒヤするシーンばかりが続くので非常に疲れる(笑)

デブリといえばその存在を一般人にまで知らしめた(?)名作「プラネテス」ですね。デブリがぶつかるリアルな怖さを恐ろしいほどの大迫力で魅せてくれたのが本作、ゼロ・グラビティでした。

海底鬼岩城のアレ

鑑賞中思い出したのは、映画ドラえもんの海底鬼岩城。ジャイアンとスネオがドラえもんに隠れてバギーちゃんに乗り込み、海底探索に出かけたシーンだ。彼らはその後、テキオー灯の効果が切れて酸素欠乏状態になって瀕死になる。宇宙空間に放り出され、酸素の残りと戦わなければならない状況と、海底で誰の助けもなくなり酸素がなくなる状況がリンクして、想像するだに恐ろしい。あのシーンも子供心に絶望的な気持ちになったものだ。

主人公、サンドラ・ブロック演じるライアンはいかにして宇宙空間で過ごしたか。ちょっとした展開の説明そのものがネタバレになってしまうのであまり書かないでおこうと思いますが、恐ろしく息詰まる90分でした。この90分というサイズ、私にとっては非常に良い。最近の多くの映画は2時間、2時間半もザラになってきてしまっておりますが、集中して楽しめるのは90分くらいなんじゃないかなと思うんですよね。と言いつつ、ホビットは170分あってタップリ楽しめてそれはそれで嬉しいんですが……。

バギーちゃんの奮闘には涙ちょちょぎれます!

90分ノンストップ、アクセル全開でハラハラドキドキしました。今年最後にええもん観ました!A

フライト

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『フライト』鑑賞。アルコール依存症パイロットが主人公で、自分の乗る飛行機が墜落の危機になったとき、天才的な臨機応変の操縦で乗客を救う。いったん英雄視される主人公だったが、やがて墜落の原因調査が開始され、主人公が飛行機に乗る際、アルコールを摂取していたことがわかり…‥‥‥という物語。「人の命を救うということ」「英雄がアルコール依存症であること」「嘘をつくこと」。アルコール依存症がバレて、墜落の責任をとらされ投獄を恐れる主人公に対し、担当の弁護士は主人公に嘘をつかせ、調査を乗り切ろうとする。しかし主人公は、最後の最後に自分の心の弱さを認め、真実を話す。自分を騙して偽って生きるということがイヤになった主人公は、最後の最後で本当の自分の気持ちを話した。社会的な罪を背負い、責任をとることにはなったが、彼はそれをおそれなかった。魂が救われる物語だった。

飛行機が墜落しそうになるシーンは圧倒的な迫力。次から次に的確な指示を出す主人公は非常にカッコイイ。泥酔してドロドロの状態になっていても、コカイン胃発で完全復活。持ち前の天才的な技量で乗客を救った。

圧倒的なスキル、能力を持つ人間がその力をふるうとき、己の中にあるプレッシャー、自分に対する重圧は尋常じゃないものがあると思う。そういった人間が自分の弱い部分をさらけ出すということはさらに並大抵のことではない。であるがゆえに、自分の弱い部分を何かに依存する。女であったり酒であったり賭け事であったり浪費であったり、暴力であったりだ。極めて強度の緊張状態を保ちながら、失敗が許されない局面で生きていくことは恐ろしいプレッシャーである。主人公がアルコールに逃避するのもとてもよくわかる。とてもよくわかる一方で、だからといって会社が、仲間が、社会がそれをすべて許容するかというとそうではない。そして最終的に自分の弱さを認め、乗り越える人間もいれば、弱さに潰されてしまう人間もいる。

そして主人公は、最後の最後に自分の弱さを認めて乗り越えることが出来た。そのきっかけはアルコール依存症を自覚した一人の女性だった。人の人との出会いは、奇跡のようなものだ。本当に非常にギリギリの高度なラインで仕上がった脚本だと思う。面白かった!
B+

ほとばしる怪獣の汁と男のエネルギー『パシフィック・リム』

大ヒット上映中! 3D/2D同時上映|映画『パシフィック・リム』公式サイト
映画『パシフィック・リム』本予告 杉田智和吹替え版 - YouTube

ステーションシネマ大阪で鑑賞、お客さんは7割くらいの入り。2D字幕版鑑賞。

太平洋の奥底にできた亀裂から「怪獣」がやってくる!
怪獣は世界中に被害をもたらし、対抗する人類は対怪獣用兵器「イェーガー」を開発。一時は怪獣を圧倒した人類だったが、怪獣側のパワーアップもあり、どんどん苦戦するようになる。そして怪獣の出現ペースはどんどん早くなり、一度に2体出てくるようにもなってきた…‥‥‥。

頭からっぽにして脳汁ドバドバ出しながら口ポカーンと開けつつ131分思いっきり楽しめました。
怪獣が襲ってくる→倒す
さらに強い怪獣が襲ってくる→倒すor負ける
というシークエンスの繰り返しによってもう口ポッカーン。
ゴジラを3本一気に観たような気分。特撮作品、ロボットアニメへの大いなるリスペクト、愛情が伝わる1本でした。
ジプシー・デンジャーが唯一、原子力で動くイェーガーで、世界を救う術となるところがなんとも印象的。一方で司令官のスタッカー・ペントコストは初期のイェーガーに長期間乗り続けたため被曝しているという設定も。

さて、全体として総じて面白かったんですが、個人的に「燃えた」という点については「バトルシップ」のほうが熱かったかなという気がします。
というのは、多くのロボットが登場するにもかかわらず、各々のロボットの見せ場が少なく、やられ役、かませ犬になってしまっておりもったいない。また複数ロボットのチーム戦ならば、攻撃、防御、サポートなどの役割分担がきっちりあったほうがチームである意味がより強くなるように思います。あれだけのクオリティの映像が使えるならばその脚本もうちょっと! なんとかならんかったか!? と思いがあります。このあたり、日本人が好きな「燃えるツボ」とアメリカのそれとは微妙に違うのかなーという気がしないでもない。タンカーを持ってきて棒術の武器に見立てるのは凄まじく燃えたので、終盤の香港での戦いはもっとビル等を使いまくったアクションでも良かったかも。

とはいえ小・中学生くらいの自分が観たとしたら「アバババ、キャッホーイ!」とハイスコア・ガールの主人公ばりにテンション上がって興奮していたことは間違いないでしょう。

なお、芦田愛菜は成長すると菊地凛子になる模様。妙に納得感のある役どころでした。B+

ザ・レイド

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◆ストーリー
インドネシアジャカルタのスラム街にそびえる30階建ての高層ビル。麻薬王リアディが支配するそのビルは、ギャングやドラッグの売人たちのアジトである。この悪の巣窟に、新人警官ラマを含むSWATチームが奇襲を仕掛けるが、各階を制圧しながらリアディの部屋を目指すなか、途中で彼に気づかれてしまう。ビル内のスピーカーからリアディの声が鳴り響く。「住人諸君、当ビルの害虫駆除に協力せよ」リアディの右腕、マッド・ドッグ率いるギャングの怒涛の銃撃に遭い、退却の道を絶たれる隊員たち。しかし彼らは超人的な身体能力の高さと格闘スキルを駆使し、敵を一人ずつ始末しながら上階に向かう。そして、明らかになる衝撃の事実とは?

麻薬組織撲滅のため結成されたSWAT部隊。組織のメンバーがいるビルに踏み込むが……というストーリー。
ビルに入って出るまでの101分間、ほぼ全編バトルアクション! 最強格闘術「シラット」を駆使する主人公と迎え撃つギャングたち。拳も銃も刃物もアリアリで、刺殺銃殺当たり前の世界観。序盤から中盤にかけて、ギャングの罠などにはめられて次々と殺されていくSWAT隊員たち。絶望のなか、ビルから脱出するため命がけの戦いを繰り広げる主人公。

主人公の使うマーシャルアーツ系統の格闘術「シラット」が実にかっこいい。手技、足技ともにハイレベルでスピード感あふれるスタイリッシュな格闘術で非常に「魅せる」。ラスボスも同じような系統の格闘技で挑んでくるのだが、ラスボスは2人がかりで倒しにいっても歯がたたないという圧倒的な強さ。いやあ、なんだか「ファイナルファイト」「ダブルドラゴン」といった往年の横スクロール型バトルアクションを思い出しました。

ストーリーはある意味、あってないようなもの(とはいえ風刺的な要素はきっちり入ってます)。スピード感あふれるバトルアクションを心ゆくまで楽しめる1本でした。敵味方両方、ナイフなどの刃物でブッサブサと刺される、切られるわ銃で頭打たれるわ、そういったバイオレンスシーンもあるのでそういうのが苦手な人にはおすすめしがたいんですが、ブルース・リージャッキー・チェンの映画から近年のマッハ!を経て本作に至る系譜は非常に感慨深いものがあります。燃えるぜ! B+

英傑が集い歴史が動く 風雲児たち 幕末編 11~15巻 みなもと太郎

相変わらずじっくり読んでます。
読むほどに発見があり、楽しい。
歴史の知的好奇心の充足と娯楽による快楽、両方高いレベルで大満足できる本シリーズ、22巻が5月末に発売予定ということでさらにどんどん感想アップしたいと思います。

風雲児たち 幕末編 11 (SPコミックス)

伊藤雋吉と村田蔵六のエピソードが「その後」を示唆していて大変興味深い。思わず手元のスマホで「伊藤雋吉」をWikipediaで詳しく調べてしまったよ。そしてそこから横のつながりで明治時代の軍人をたくさん読みあさってしまったりという……。
そして龍馬2度目の江戸留学、福澤諭吉の青春時代から、アロー戦争勃発と大きな転換期を迎える時代への移り変わり。見所多すぎてたまりません!

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みなもと 太郎
リイド社 2007-07-30

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風雲児たち 幕末編 12 (SPコミックス)

12巻前半は薩摩の島津、西郷、大久保の動きを丹念に描き、その後は唐人お吉とハリスのエピソード、阿部正広の死、ジョン万次郎と龍馬の出会いが描かれる。笑いあり涙ありの物語の中、時代は着実に移り変わってゆく! しかしまあ江戸幕府は膨大な失策もあるものの、阿部氏が死んでしまうなど、非常に手痛いアンラッキーも積み重なってしまっているのが悲劇的でもある。これも歴史の運命、必然かと思うと大変複雑な気持ちになりますね。僕たちは江戸幕府がどう終わっていったかという結果を知ってしまっているからどうしても「あとからの語り」になってしまうんだけれども、当時の時代性をみても、どう考えても幕府の立場が圧倒的に強かったにもかかわらず、半ば勝手に致命的な失策を何度も何度も繰り返して瓦解を早めてしまっていたと読めてしまう。

4845831783風雲児たち 幕末編 12 (SPコミックス)
みなもと 太郎
リイド社 2007-12-26

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風雲児たち 幕末編 13 (SPコミックス)

帆船から蒸気船、蒸気船もスクリュー船へ。絶え間ない技術の進化の中で、歴史とは「後戻りできない道」であることを痛感する。
龍馬と桂小五郎が戦った御前試合はボリュームがある描かれ方で大変痛快!こういうのも良い。
13巻はこの御前試合のアクションシーンが多々描かれておりまして、久々にみなもと太郎の躍動感あふれるアクション・シーンの描写が見られてとても嬉しかったのであります。

4845837072風雲児たち 幕末編 13 (SPコミックス)
みなもと 太郎
リイド社 2008-07

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風雲児たち 幕末編 14 (SPコミックス)

脳天気っぽい堀田正睦に、京都の岩倉具視が立ちはだかる! クールな橋本左内も大焦り。そして井伊直弼、ついに大老へ! 井伊のブレーンたる長野主膳という人物については初めて知ったので大変興味深かった。さっそく長野主膳についてもWikipediaで調べてみちゃったりしてな…‥‥‥。井伊直弼は時代の流れを読むことが出来なかったが、それは彼に適切な情報が集まらなかったから、という評価もできるかもしれない。長野のブレーンとしての能力は決して低いものではないが、それでも海外のナマの情報を見聞し、適切に集約するということは出来ておらず、結果、井伊の政治にモロに反映されてしまうことになってしまった。

4845837080風雲児たち 幕末編 14 (SPコミックス)
みなもと 太郎
リイド社 2008-12-26

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風雲児たち幕末編 15 (SPコミックス)

島津斉昭、徳川家定の死でまたもや歴史は大きく展開する。上述したが、幕末は「このタイミングでこの人が(死ぬとは)!」という現象が非常に多い。家定にしても、本人が有能な政治家というわけではなかったが、将軍というのは存在しているだけでそこに膨大な政治的意味性が発生するものであり、少なくとも島津にとっては「家定が生きていること」自体が重要なことであったと言えるわけで、幕府のアンラッキーはまだまだ続く!
江戸ではコレラが流行し、JIN先生がタイムスリップしてくる頃、という状況です。まあJIN先生はやってきてなかったけれども、コレラに対して蘭方医が団結して解決にあたっていこうとする様は素晴らしかった。

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みなもと 太郎
リイド社 2009-07-28

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相変わらず、堺雅人はアウトプットする表情の数×感情の温度感の調整により無数の演技パターンを生み出している俳優さんだなあと思った。
それにしてもこの人は本当に儚い雰囲気を出すのがうまいというか、なんというか。

大枠として、うつと付き合うという物語なので、観ていてちょっとどんよりするところがある。
そのあたりは、私もネガティブな部分が非常にあるので、いかんともしがたい気持ち。
そして相変わらず宮崎あおいは70%くらいの好みの顔をしている。

堺雅人演じる「ツレ」が「うつ」になっていく経緯はかなり原作の描写よりはしょられているものの、断片とサジェスチョンはうまく演出されている。
そしてうつの行き着く果ての一つのバッドエンドである自死も作中で描かれている(堺・宮崎という俳優の持つ独特の「軽やかさ・軽さ」がシーンの重々しさを随分と緩和してしまっているが)。

仕事で忙しくイライラしているハル(宮崎あおい)を見て、「遠い存在に感じて」「自分が嫌になった」と語る「ツレ」の心境っていうのは非常によくわかるシーンで、強く印象に残っている。結婚してても遠い距離に感じることがあるという、心の距離についてリアルな感情を揺さぶるシーンを垣間見た気がする。あるある、めっちゃある、という。それはまあ、妻にか限らず両親祖父母や兄弟姉妹にも言えることではあるけれど、配偶者というのはまた違うポジションだからね。

しかし、いいこともいやなことも、面倒なことも、色んなことがあっても、それでもなお、二人で一緒に生きていく、生きていこうという選択肢を「とり続けること」が結婚生活なのかもなと思った。私も日々しんどがっている生活をしているので、妻の存在というのはありがたいの一言では言い表せないものがある。これまでのところ家族になるという選択肢をとり続けていて良かったと思うし、これからもとり続けるだろう。

「うつになりまして」という、うつに限らず、人生には色んなことが起こります。
何かしらの夫婦の危機が起こるという「○○になって」「どうするか」「どう夫婦であり続けるか」ということが大事なんだろうなーと思います。「うつ」そのものの描写は原作のほうが深く重いシーンが多々あり、原作も読むことをおすすめします。B