リアル 5,6,7巻 井上雄彦

あー。やっぱ面白いなあ。面白いというか、凄いなあ、という物語だ。連載が遅いのだけが残念だけど、単行本でまとめて読むと迫力もボリュームもたっぷりだなあ。スラムダンク終盤以降の絵のレベルを安定して作画しているのに加えて、作劇技術もお見事なものになっている。

多くの登場人物が大きな個性を持って、彼らは彼ら自身の人生に向き合い、あるいは目を背け、あるいは戦う。身体の一部が一生動かなくなる。その事実をどう、いかに向き合うか、描くか。主人公は一応これは車イスバスケで活躍していくであろう戸川君だが、個人的には彼の周囲のキャラクターに強く感情移入してしまう。もちろん戸川君も過去編で父親との関係や陸上との出会い・別れなど相当深くエピソードとして描かれていたわけだけども、うーん、何で僕は周囲のほうに目が向くんだろうかな。

戸川君は虎さんという人物と出会って車イスバスケの道に進むきっかけを得て、そこに目標を見出した。そういう幸運な出会いっていうのは、ほんとに運というか、運命というか、偶然なんだけども、虎さんと出会わなかった第二、第三の戸川君、というのを想像すると、何とも言えない心境になってしまう。

戸川君のように、男前の顔面を持ちバスケットという道を見つけて、日本代表(候補か)に選ばれるというレベルの才能(と努力ができる思考)があるのとそうじゃないのとでは、色々違うのかなと思ったり。まあそれは障害のあるなしに関係ない話でもあるけども。作者がこれからこの物語の魅力あるキャラクター達に、いかなる人生を思い、これから描いていくのか。定点観測的にこれからも読みたい。B+

リアル (6)

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リアル (5)

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