涼宮ハルヒの溜息 谷川流 いとうのいぢ

涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ第二段。文化祭での映画撮影が中心のストーリー展開。ジェットコースターというほどゴウゴウと展開するわけではなかったが、ハルヒの尋常ならざる行動力にちょっと呆然としながらも読了。思ったことが映画撮影を通して現実になっていくという設定は面白かった。シャミセン(猫)が喋りだすシーンが愉快。うーん、面白いし面白みを感じたし好きではある。しかしそれを踏まえて一歩引いて読むと、ハルヒの周囲の人間がやきもきしすぎるきらいはあるかなあ。まあそういう設定だから、といってしまえばそりゃそうなので納得はするんだけども。
個人的にはハルヒが朝比奈さんに対して無礼的仕打ちをしているところにキョンがぶち切れるシーンが迫力があって大好きだ。本来的、価値観的にはキョンハルヒはもうちょっと対立するもんなんだよなーそうだよなーと思って読んでいて凄く納得したというかなんというか。ううむ。B+

変身 東野圭吾

変身

変身

出版社 / 著者からの内容紹介
世界初の脳移植手術を受けた平凡な男を待ちうけていた過酷な運命の悪戯!
脳移植を受けた男の自己崩壊の悲劇。

脳移植手術という試みにより命が助かった主人公・成瀬であったが、手術後時間が経つにつれて次第に自分の性格が変わっていくことを自覚する。脳の一部が他人のものであるということと、自分自身とは一体何かということ。読んでいてゾクゾクしながら楽しめる傑作であった。アルジャーノンに花束をとはまた違った味わいがあり、現在日本における脳の取り扱いのようなものもフィクション的に興味深く読めた。文体の変化により性格が変わって行ってることがジワジワと読者も理解することができ、主人公に感情移入しつつ悶えながら読み進めることになる。終盤の展開は衝撃的であり読んでいて怖くなった。脳の一部に他人の脳が入り、それが自分の人格を支配する。それはもはや元の自分ではないのか? だったら死んだほうがマシではないのか? 自分とは何かね、という難しいテーマもあるけど、一つの悲しい物語としてじっくり読了した。作者の文章は僕にとっては魅力があり、グイグイ先が気になった。文章を読むワクワク感、ゾクゾク感を久しぶりにしっかり味わった。A-