まっすぐな道でさみしい 種火山頭火外伝 1巻 いわしげ孝

種火山頭火好きの俺はかなり面白く読めた。「坊ちゃんの時代」の石川啄木編「かの蒼空に」を彷彿とさせる山頭火のダメ人間っぷりは素晴らしい。「こんな人間になっちゃダメだろ」と思いながらも、そのダメ人間が作り出す創造物(自由律詩)は人の心をえぐりとるようにつかむのだ。人格と才能は別である、ということを改めて認識する作品であるなあ。いいぞ、おすすめだ! あーただファンとしての個人的な好みだけど、作者にはもうちょっと史実になぞって欲しかったなあ。A−