バクネヤング 松永豊和

人間離れした筋肉、体力を持ったバクネは「俺は死ぬ気がしない」といって、ヤクザの大親分を人質にとり、大阪城に立てこもってヤクザと警察官をボコボコにしていく。警察にも全く動じないバクネは最後に……というストーリー。
極限の暴力描写がすごい迫力だ。人間の腕をもぎとって引きちぎる(それをかじる)、至近距離でバットを思いっきり振って顔面に殴りつける。作者の松永さんはコミックIKKIにもSF的な作品を描いていて絵柄は知ってたんだけど、こんなのも描いてたんだなーと思った。かなり分厚いマンガで、後半は描きおろしのようです。スゴイ。「性と暴力と血」というキーワードでは「殺し屋イチ」という作品もかなりすごかったけど、このバクネヤングもまた等身大の暴力から離れた、まさしくマンガ的なパワーを存分に発揮していて「め、メチャクチャだ!」という感があって面白い。でもこれ、最後の最後には暴力だけじゃなくて、「人間」というのもあるんだなーというエンディング。サブキャラもバクネに引き回されたりして非常に人間描写がねっとりとしてて面白い。A