新忍者ハットリくん 1,2,3,4巻 藤子不二雄A

忍者ハットリくん 1 (ぴっかぴかコミックス)

忍者ハットリくん 1 (ぴっかぴかコミックス)

はまぞうで画像付きの中央文庫のものが見つからなかったので、ぴっかぴかコミックスのでリンク。中央文庫コミック版のほうが分厚くてお買い得ではあると思うのだが、今はちょっと手に入りにくいかもしれない。ぴっかぴかコミックスは安価だが少々薄いねえ。

さて、忍者ハットリくんである。「新」の方は旧版が終了してから描かれたもので、文庫版の方は編集もされているからなのか、いきなりハットリくんがケンイチの家に普通にいる状態から始まるので少々面食らうが、旧版の方では二人の出会いから描かれている。ハットリくんは子供の頃にFFランドの一部を読んだことがあるくらいなのだが、それでもロボ丸、ツバメちゃん、忍者怪獣ジッポーなど、非常に懐かしいと感じた。ケムマキの猫かぶりっぷりはほんと腹が立つなあ、ははは。

A先生の絵は、なんというか本当に2次元的ですね。平面の積み重ねで立体的な効果はあるのですが、基本は平面。コマは丁寧に分割され、人物も背景も、基本的に太い実線であり、このあたり実にA先生のタッチだなあと感じる。こういう絵は児童にとっては非常にハッキリした絵で、わかりやすいんですよね。そして、何話かに1回は「ギニャー」「フギャー」「オノレ」など、独特の言語センスによって書かれる描き文字があってこれまたA先生素晴らしい。A先生の絵は、黒色の使い方が本当にうまい。不気味さ、気持ち悪さ、怖さの演出としての黒色の効果がものすごいのだ。このあたりは「魔太郎」でも「笑ウせぇるすまん」でも同様だが、児童マンガたるハットリくんでも容赦なく発揮されているのであった。子供びびるびびる。

お話の組み立てはなんというか、各キャラクターの特徴、性格を生かしたエピソードが多いのですが、「新」の中盤以降はどんどん新キャラが出てきては消えてしまい、大味なものになったエピソードが多く、それがちょっともったいないなあと思ってしまった。お話の凝り具合的には、旧版の方がコッテリしていて僕好みかなあ。
旧版A−
新版B+