新史 太閤記(全巻)司馬遼太郎
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1992/08
- メディア: ハードカバー
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全体としては、天性の人たらしと呼ばれた豊臣秀吉の尋常ならざる陽気さ・晴れやかさ・カリスマ性を余すところ無く描いているのは大変読み応えがあり、面白かった。立身出世の痛快っぷりが、今の世の人々にも受けているところだろうというのは、想像に難くない。信長の持たない才能を持っていた秀吉。彼のもとにやってくる武将ことごとくその魅力に魅せられるというのは、いったいどれほどのオーラを持っていた人物なのだろうか。よく会社社長を武将に例える占いとかあるけど、ライブドアの堀江社長には、秀吉の持っていた「相手次第では自尊心を完全に捨て去る」という技術が欠けている気がする。新しくて賢い人は、古くて遅れた人を見下げる。たとえ見下げていても、それを相手に全く気づかれることなく、己のやりたいことを実現できるようになれば物凄いだろうなー。
やあやあ、中だるみも無く、痛快にして陽気で楽しい作品でした。B+