ハウルの動く城 DVD(再鑑賞)

500日ぶりくらいに観ましたが、やっぱりディティールの凄さは尋常じゃないですなあ。ストーリーの論理的なスジについては、監督も別にそれを通すつもりもなかったようだし、全体を通じて色々な「曖昧さ」はある作品だけど、それがマイナスに働いているということではなく、ディティールの凄さに面白みを感じた。カルシファーの微妙な表情の変化、出てくる食べ物の美味しそうなこと、まじないだらけのハウルの部屋、マルクルのかわいさ、荒地の魔女のユニークさ(この人物については奥が深いと思った。)。

「どうしてソフィーは魔力の無くなった荒地の魔女の介護をしたのだろう」「サリマン先生は結局死ぬほどしょうもない理由で戦争をしていたのかしら」などなど、キャラクターの行動論理で不明な点は多々あれど、「まあ、人間というのはよくわからんもんだ」としてそれはそれで納得するのがいいのだろうか。微妙なところである。千と千尋の神隠しハウルの動く城はストーリーを人に説明するのが難しいなあ。

声優という点でいえば、この作品に限らず、キャラクターはプロの声優にやってほしいわい、というのは前々からの主張で、それを前提にすると、倍賞千恵子木村拓哉はどうか。んー、やっぱりどうしても、彼らの「名前」というのがキャラクターの後ろに透けて見えてしまう。これはどうにもならないところだ。それがウリなのだから、余計透けて見えてしまう。で、その透けて見えるものをさらに頑張って無視したとすると、どうか。個人的には木村さんは「悪くない」レベルというか印象だった。くぐもった声のところはちょっと聞き取りにくいところがあったけれど、そう悪くは無いと感じた。倍賞さんのほうが、若いソフィーというのはちょっとしんどいかなというところ。途中、老人から微妙に若返った状態になるシーンがあるけど、あのあたりナントモいえない中年的な声になっていたのは意図的なのか結果的なのか。ううむ。美輪明宏我修院達也神木隆之介はバッチグーだね。