バカ姉弟 5巻 安達哲

バカ姉弟 5 (5)

バカ姉弟 5 (5)

出版社/著者からの内容紹介
フルカラーコミック愛くるしい5冊目。
頂点に立つ姉弟!世界は双子のために……
海賊と王妃が手を結んだ世界王国実現の第5巻。数奇なる運命、時を駆ける15年後の姉弟も一挙収録。さあ歩いて駅まで急ぐのだ!

基本的にマンガのカラー・モノクロにはあまりこだわらない人間ですが、これ読むとやっぱフルカラーっていいなあーと思った。連載時からフルカラーだったし、ちゃんと再現されて収録されているのは大変うれしいことです。この作品、1コマ1コマが読んでて、見てて楽しいんだよなあ。姉弟の一挙一動が目を引くし、とても微笑ましい。『よつばと!』のよつばちゃんのような天真爛漫自由奔放な子供イメージとは少し異なって、「何考えているのかよくわからんぞ」というところもある3歳児たちの言動は、本当に面白い。舞台が巣鴨っていうのも妙に身近に感じるしなあ。
クライマックス、というようなゆれ幅は無いが、2人はやがて4歳の誕生日を迎え、さらに時は流れ15年後。3歳のときから頭角を現していたピアノの才能をおねいは発展させ、ウィーンにいる。あの「触りたくなるようなありがたいおでこ」は健在で美人になっておった。そして一方、日本にいる弟は……というラスト。弟ちょっと切ないぜ。悪くはないけれど、切ないぜ。僕は3歳の頃の自分、というものはあんまり覚えていない。加齢により失われた記憶の断片のようなものが、この物語にはあったように思う。ユニークかつ普遍的な作品でありました。A