おとなの小論文教室 山田ズーニー

おとなの小論文教室。
おとなの小論文教室。山田 ズーニー

河出書房新社 2006-01-07
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理解という名の愛がほしい——おとなの小論文教室。II 17歳は2回くる おとなの小論文教室。(3) 考えるシート 伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書) おとなの進路教室。

出版社 / 著者からの内容紹介
自分の頭で考え、自分の想いを自分の言葉で表現したいという人に、「考える」機会と勇気、小さな技術を提供するまったく新しい読み物です。「ほぼ日刊イトイ新聞」大人気コラムの単行本化。読むときっと、何か表現したくなる!

これは良かった。考える、表現するというのは一体なんなのか、ということを突き詰めて考えさせてくれる1冊。特に、終盤の「そこに自分がいない」という「語り手不在の文章」に関する考察については読者からの反応メールも含め、非常に興味深かった。なるほどと思う部分がたくさんあった。入試における小論文というのはかなりの程度で傾向と対策があってある意味小手先の要素やテクニック的なものもあるのだが、この本はそういう表層的な部分ではなく、本質的に「考える」「書く」ということをえぐる。表現するという行為は他者とのコミュニケーションであり、考えるという行為はその表現方法を選ぶと同時に、自己とのコミュニケーションでもある。腹の底から出た言葉は、強い。あなたは腹の底から考えて、言葉を発していますか? と問いかけられるような本だ。A