ウチの場合は 2巻 森下裕美

新聞夕刊4コマとして実にまっとうだなあと思う作品。少年アシベ以降に描かれた作品だったかな、これは。父、母、姉、主人公(かな?)ユウヤ、ペットの犬を中心とした家族もの。脇役も含め、みんなちょっとズレたところがあるのが笑いを誘う。非常に健康的な4コマですなあ。B-

新聞4コマは「家」しかない?

上の感想の余談だけど、大新聞系4コマではやっぱりというかなんというか、家族ものが多い。「あの」しりあがり寿でさえ、新聞夕刊4コマは『地球防衛家のヒトビト』という「家」だった。そして「家」には複数の人間がいて、家族を構成しているというフォーマットだ。これを崩すのは容易ではないのかなあ……。僕はもっと色んな夕刊4コマを読んでみたいぞ、と常々思っているのだ。引きこもりを中心に描いた家族ものでもいいし、家族ものでなくとも構わない。多分企画出しても編集部内で通らないのかなあと思うところなのだけど、マンガの多様性からすれば、あっていいんじゃなないでしょうか。

なんかこう、伝統的なイメージとして新聞=ファミリー、ということなんだろうか? なんとなくだけど「家庭に宅配される」という性質がそういうイメージを作り上げてきたのだろう。

しかしなあ。新聞を読むという行為は、少なくとも僕にとっては極めて個人的内面的な行為なんだよなあ。読むときに「家族」は介入しないししてほしいともしたいとも思わない。

まあ新聞自体の話はいいとして、4コマはもっと色んなのが出てほしいなと思いますです。4コママンガ雑誌は最近けっこう元気だと思うし、ああいう流れから新しい新聞4コマが生まれないかなあと期待するところであります。業田良家にも自由に新聞4コマ描いてみてほしいわあ。

私の頭の中の消しゴム DVD

若い女性がアルツハイマーになってしまう。若年性アルツハイマーっていうテーマは重いなあ。記憶というものが人間の自分自身についての認識、アイディンティティの要であるとすれば、記憶がどんどん消えていく、というのはそれそのものが悲しみと絶望に覆われる。アルツハイマーにかかった女性が、恋人を当人と認識することができず、昔の恋人の名前で呼び、愛してるというシーンはもうどうしようもなくもどかしい。

このあたりの脳の病というのは、確かに確率は低いけど、別に他人事ではないんだよなあ。映画を観て「自分の周囲はこういう病気の人がいなくて良かったな」という気持ちはゼロではないんだけども、明日はどうなるかわからない、という話。映画としてはまあ渋く泣かされそうだなあと思ったけども、所々感情移入できないシーンが多く、最後までハマれなかった。そういえば病気・事故・悲恋・因縁・運命的出会い再会というのは韓国ドラマで多かったと母親が言ってた。B-