ユリウス・カエサル ルビコン以降 ローマ人の物語Ⅴ 塩野七生

■この2冊、マジで面白かった。ハンニバルもいいけどカエサルの魅力はまた格別。えーと、この続きがオクタヴィアヌスの話になってるんだけど、俺の印象ではカエサルは自分が部下として尽くしたい人間で、オクタヴィアヌスは同僚としてともに戦友になりたい人間だった。2人とも十分に魅力的な人物なんだけど、魅力のベクトルが違う。オクタヴィアヌスにはカエサルにはない政治的偽善があった。いわゆる処世術とでもいうのだろうか。しかし、それでいて自分のやりたいことは着実に実行する男がオクタヴィアヌスだった。

さてカエサル。若い頃から金遣いが派手というか実際必要だったのだろうが、借金しまくりだったそうだ。若くて大債務を負っている状態。そしてその債権者が何を隠そう第1回三頭政治の一角を担ったクラッススである。債権者は、持ってる債権が大きくなりすぎると、逆に不良債権になったら困るのは債権者の立場になってしまうということになるのな。そういう状況を利用して借金大王カエサルクラッススを自分の利益に巻き込むくだりは流石と言うほかない。あと、カエサルは演説とか文章が非常に達者で、人々を魅了したそう。あー上司にしてみてぇー。A