刑務所の前 1巻 花輪和一

花輪和一の奇妙な世界にグイグイと引き込まれてしまう。話そのものは混沌としている。拳銃を見つけ、それを修理していく作者の世界(現実)と、鉄砲鍛治とその娘と周辺人物が繰り広げる昔話的世界がグルグル交差しながら話が展開していってる。「刑務所の中で」を先に読んでいるので、この作品の世界には入りやすいことは入りやすいんだけど、それでも意図がよくわからない(少なくとも1巻では)世界に巻き込まれていってしまうのである。グルグルグル。で、それが面白くないかっていうと全然そんなことはなく、むしろ非常に面白く、ナンダコレハーという世界を垣間見れるのであった。B+