ベスト・オブ手塚治虫 もうひとりのアトム

コンビニ本。コンビニ本というのは作り手の魂の込め方によって当たり外れが激しいけども、廉価で往年の名作が楽しめるというのはマンガ文化的に悪いことではないと思う(色々本を読むと、それが出版産業的にはどうかはわからないけど。)。この本は夏目房之介さんの巻末エッセーが載っていたのでお得だったと思う。白手塚と黒手塚の話などが書かれていた。
掲載作品は「ふたりでリンゲル・ロックを」「1985への出発」「ガラスの脳」「7日の恐怖」「安達が原」「はるかなる星」。手塚作品のSFって、なんだかとっても誌的なんだよね。タイトルも誌的な雰囲気のものが多いし。火の鳥ブラックジャックといったメジャー作品以外の手塚作品もめっちゃ面白いぜということを再確認した次第。や、手塚治虫のSF系短編ってほんと面白いんだよね。ちょっとした発想から世界を作り出すマンガの神様なのであった。B