エルフェンリート 1〜9巻 岡本倫

エルフェンリート 1 (ヤングジャンプコミックス)
いやはやーヤングジャンプもすごい作品を連載させているものだ。第一印象はかわいい女の子+モテてる自覚のない男の子主人公+ラブコメ+サイキック要素+スプラッター、という感じ。読み進めるとぶっ飛びSF系要素もガンガン入ってくる。このマンガを読んでいると「大怪我」に対して妙に鈍感になってしまう感覚すらある。首は飛ぶわ手足はもげるわ、すさまじい演出。マンガは基本的には、まだペンと紙がメインの世界で、その世界の中では、「血の色」は赤色ではなく黒色なんだよな。ペンのインクの色。赤色ではない分、血液の鮮やかさは失われてしまうけど、その分たっぷりと「どす黒さ」が際立っている効果があると思う。マンガでは黒色である血が、実際には赤いんだよなあと思うと、このマンガのレッドっぷりは本当にすさまじい。様々な登場人物の、情け容赦ない、遠慮も何もない「目的への執念」はゾクゾクする。
巻末に本編の別エピソードのような短編も幾つか載っているのですが、これも本当に面白い。「容赦ない絶望の中でのギリギリの救い」がテンション高く描かれていてシビれます。爆弾処理の名人の話が感動的だった。A−