キャラねっと―愛$探偵の事件簿 清涼院流水

キャラねっと―愛$探偵の事件簿

「あいどるたんていのじけんぼ」と読みます。
世界最大級の人気を誇るネットゲーム「キャラねっと」。オンラインゲームと現実の世界、2つの世界が交錯する。ボーイズ事件「みすてりあるキャラねっと」、ガールズ事件「めいきゃっぴキャラねっと」、カップル事件「であいまちょキャラねっと」の3部構成となっている。「みすてりある」はゲーム内で発生する連続殺キャラ事件を追い、「みすてりある」では美少女コンテストに隠された陰謀を解き、「であいまちょ」では上記2つの物語の主人公だった双子の姉弟が、キャラねっとの管理人までもを相手に謎解き奮闘する。570ページと長めの小説だが、舞台設定を何度も説明する個所や会話シーンが多いので、比較的グイグイと読み進めることができるだろう。「愛」と「金」、人にはどちらも大切なものだが、この物語が提示した答えとは？
ネットゲームが舞台なだけあって、ウェブ独特のノリや感覚がうまく表現されている。清涼院流水の描く登場人物はなかなかキャラが立っていて、会話文だけでも面白い。こういうところは西尾維新と類似の魅力がある作家だなあ。B+