ドラえもんプラス 1巻 藤子・F・不二雄

ドラえもん プラス (1) (てんとう虫コミックス)

ドラえもん プラス (1) (てんとう虫コミックス)

いまだに藤子・F・不二雄の作品で未読のものがある。そのことだけで、人は幸福である。というわけで、ドラえもんてんとう虫コミックス未収録作品がわんさか掲載された「プラス」です。F先生のギャグスピリット、いまだ健在也! てかもう旧作読み返すだけでもエヘエヘゲラゲラと面白いッス。「グルメテーブルかけ」では玉子と他の野比家の面々の意識のギャップが面白い。「ぼくを止めるのび太」は冒頭1ページで笑います。カップめん10個を食べようとしたのび太が、5個目に挑戦しようとしたろころで腹いっぱいになり失敗。そのときののび太の表情とドラえもんのしらけ具合が完璧です。どうでもいいけどのび太カップめんを食べるときにフォークを使ってますね。コジャレてるっていうか、昔マネしたことがあります。まあお箸の方が食べやすいんですけども。「代用シール」では電話帳をスネ夫の持ってる漫画としてジャイアンが読んでます。しかも「個人名あ〜さ」編。オチものび太の代用にポストがのび太として扱われて噴き出します。かと思えば「ココロチョコ」は教育的名作。しずかちゃんに「世界中の心が一つになれば、平和になると思うよ。」とのび太は言うのだけど、しずかちゃんは「大ぜいが同じこと考えるなんて、気もち悪いわ」と返答。軽いしらけ面で「そうかなあ」とのび太。独裁、行過ぎたナショナリズムを懸念するものだと言えよう。「集中力増強シャボンヘルメット」では何気ない一コマに狂笑する。スネ夫ジャイアンがアリの観察をしていたのだが、アリがいなくなっても観察を続ける二人。「アリさんいなくなったね。」「でも、かんさつをつづけようね。」このテンポ、絵、セリフ、間合いが完璧で極めて高いレベルのギャグに完成している。「でも、かんさつをつづけようね。」一体何を観察するんだ(笑)!!  「スリルチケット」では突如小学校退学を命じられるジャイアンがツボ。先生とかあちゃんから二人同時に責められて泣くジャイアン。そこに「ギックリ大成功」のオチ。「虫の声を聞こう」ではラストの巨大化したすず虫が普通に怖い。ごくたまに繰り出すF先生の劇画的表現は素で驚くこと請け合いである。いやー、面白かったなあー。A