いまだに
藤子・F・不二雄の作品で未読のものがある。そのことだけで、人は幸福である。というわけで、
ドラえもんの
てんとう虫コミックス未収録作品がわんさか掲載された「プラス」です。F先生のギャグスピリット、いまだ健在也! てかもう旧作読み返すだけでもエヘエヘゲラゲラと面白いッス。「グルメテーブルかけ」では玉子と他の
野比家の面々の意識のギャップが面白い。「ぼくを止める
のび太」は冒頭1ページで笑います。
カップめん10個を食べようとした
のび太が、5個目に挑戦しようとしたろころで腹いっぱいになり失敗。そのときの
のび太の表情と
ドラえもんのしらけ具合が完璧です。どうでもいいけど
のび太は
カップめんを食べるときにフォークを使ってますね。コジャレてるっていうか、昔マネしたことがあります。まあお箸の方が食べやすいんですけども。「代用シール」では電話帳を
スネ夫の持ってる漫画として
ジャイアンが読んでます。しかも「個人名あ〜さ」編。オチも
のび太の代用にポストが
のび太として扱われて噴き出します。かと思えば「ココロチョコ」は教育的名作。しずかちゃんに「世界中の心が一つになれば、平和になると思うよ。」と
のび太は言うのだけど、しずかちゃんは「大ぜいが同じこと考えるなんて、気もち悪いわ」と返答。軽いしらけ面で「そうかなあ」と
のび太。独裁、行過ぎた
ナショナリズムを懸念するものだと言えよう。「集中力増強シャボンヘルメット」では何気ない一コマに狂笑する。
スネ夫と
ジャイアンがアリの観察をしていたのだが、アリがいなくなっても観察を続ける二人。「アリさんいなくなったね。」「でも、かんさつをつづけようね。」このテンポ、絵、セリフ、間合いが完璧で極めて高いレベルのギャグに完成している。「でも、かんさつをつづけようね。」一体何を観察するんだ(笑)!! 「スリルチケット」では突如小学校退学を命じられる
ジャイアンがツボ。先生と
かあちゃんから二人同時に責められて泣く
ジャイアン。そこに「ギックリ大成功」のオチ。「虫の声を聞こう」ではラストの巨大化したすず虫が普通に怖い。ごくたまに繰り出すF先生の劇画的表現は素で驚くこと請け合いである。いやー、面白かったなあー。A