凹村戦争(おうそんせんそう) 西島大介

凹村戦争(おうそんせんそう) (Jコレクション)

凹村戦争(おうそんせんそう) (Jコレクション)

うーん、独特の作品だあなあ。ディフォルメされた絵は洗練されているし、オーソン・ウェルズを下敷きにしたストーリーもSF然としていてなるほどと思う。「物体X」も面白かった。けどまあ何というか、登場人物の内面の掘り下げがもっとあったほうが全体的にもっと味わい深いものになると思うんだよなあ。コマ単位自体の情報量は多いし、諦めと絶望と終わりとかそういうムードもある。同じテーマなら高橋しんあたりならば、グジグジウゴウゴ感たっぷりに描くところを非常にすっきりとスタイリッシュにまとめているのは、自覚的なのか照れなのか。一読する価値はあると思います。好みかどうかでいうと、残念ながらそうではなかったけれど。うーん、10代中盤〜後半の頃に読むともっと「ウオー!」とか思うのかもしれないけど。非日常的ポップ感、スタイリッシュな疾走感、というイメージ。総合的にはB+あるかもしれないけれど、+付けるにしては微妙に人に薦めにくいとかそういう感じ……。B