あたしンち 1巻 けらえいこ

あたしンち (1)

あたしンち (1)

家族を舞台にしたマンガは数多いけれど、それゆえに競争率が高いのか、メガヒットするものはさほど多くはない。サザエさん、ちびまるこちゃん、あたしンち。時代を超えて普遍性のある家族もののヒット三大巨頭をあえて考えるとするならば、この3作品かなと思う(とはいえ、ちびまるこちゃんは本人の主役度がやや高いか)。

家族の「あるある」ネタ、あるいは「ウチの家族だけの特殊なアレコレ」をエッジの利いたギャグにして構成されるフルカラーの単行本は、読み進めるのが非常に楽しい。お母さんの髪型は現実にするとどういうものかを想像したり、ユズヒコの目はどれだけ細いのかを考えるのも楽しい行為となる。4コマ単位でコマ割されてはいるものの、一般的な4コママンガではない。かといってあずまんが大王のような、「間のギャグ」を中心とした特殊4コマというわけでもない。わりと普通に続き物の中で、4コマ単位で物語が進行していく構造となっている。時間を置いて、何度も読み返してしまう性質があり、再読性が非常に高い。単行本の発刊ペースは遅いが、待ちながら何度もこれまでのエピソードを読むのもまた楽しい作品である。B+