幕末新選組 池波正太郎
- 作者: 池波正太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/01/10
- メディア: 文庫
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描写等の技術的な部分はそれはそれとして、やはり永倉新八自身がすごく好感の持てるさっぱりとした、非常に気立てのいい男として描かれているのがいいなあ(まあ主人公だからというのももちろんあるけれど)。好漢というものですね。「我々は近藤さんの家来ではない。同志だ」と言うところは、去年のNHK大河ドラマ「新選組!」を思い出すところであります。というかそもそも僕の中の永倉新八のイメージはほぼ完全にぐっさんになってるからなー。来年テレビでやるという「新選組!」の続編には、ちょろっとでもいいから後日談としてぐっさん永倉に出てもらいたいところであります。
江戸で、京都で、女をめぐり藤堂平助と一悶着あるが、後に和解して友情が芽生えるシーンはなかなか泣ける。やっぱりこの幕末という時代を構成したメンバーは、どいつもこいつもキャラが立ってて魅力的だなあ。終章あたりの老人となった永倉の伊藤博文に対する評価もなかなか面白い。全編見所、読みどころたっぷりの1冊でした。B+