あたしンち 2,3,4巻 けらえいこ

あたしンち (2)

あたしンち (2)

あたしンち (3)

あたしンち (3)

あたしンち (4)

あたしンち (4)

ジワジワと家族のディティールが描かれている2,3,4巻。顔見世的な1巻よりもちょっとだけ踏み込んだ世界になってきている。1巻の前提で続巻があるのだと考えると、そういう構造となるのはまあおかしくなない。

しかしこのマンガ、表紙の装丁はもうちょっとポップな感じのほうがいいと思うんだけどなあ。お母さんがどんと中央に描かれている表紙なんだけど、これじゃあ全く面白くない4コママンガの単行本みたいに見えてしまう。参考に画像が出たらいいんだけど、残念ながらアマゾンでは「?」状態になっており見られない。

ただ、この「お母さん」はちゃんとお母さんらしいアクションつけている絵なので、一目でこの母がどういうキャラクターなのかがわかるようになっている。これはけらえいこの絵のウマさだなあと思う。例えば2巻はレモンティーを飲みながら、レモンの輪切りを食べている。3巻はおにぎりを作っているところ。4巻は野菜炒めのような料理をフライパンで作っていて、それが失敗しかけてフライパンから飛び出してしまいそう担っている絵になっている。この「ズレ具合」「はみ出し具合」の絶妙なさじ加減がうまい(そして裏表紙では、その「結果」まで描かれているサービスの良さ)。ああ、そういう意味では、この装丁でもOKなのかなあ。

みかんやユズヒコの友達もどんどん登場してきており、彼らの行動を見るだけでも楽しい。みかん高校生、ユズヒコ中学生。彼らの行動を読んでいると、なんだか自分は年とったなあと少しばかり感じるのであった。

みかんとユズヒコが今よりもっと幼い頃を描いた、巻末に1話づつ収録されている特別編もとても良い。小さい子供特有の価値観や行動原理のあれこれが実に魅力的に描写されている。「バカ姉弟」とはまた違った姉と弟の行動パターンであった。繰り返し読みたい1作。A-