夜回り先生 1巻 水谷修 土田世紀

夜回り先生 1 (IKKI COMIX)

夜回り先生 1 (IKKI COMIX)

アマゾンより引用。

出版社 / 著者からの内容紹介
不登校、ドラッグ、リストカット…。闇に飲み込まれていく子供たちを、哀しい目で、優しい目で、見守り続ける教師がいる。全国が涙した感動ドキュメント、ここに初の完全漫画化!
夜回り先生」と呼ばれる夜間高校教師・水谷修が、夜の闇に飲み込まれそうな少年たちの更生に尽力する感動ドキュメント第1集。各話(第0話を除く)ごとに「夜回りコラム『いいんだよ』」も収録。

このところの土田世紀作品は、暗くて重い。前作のホストマンガはまだ明るさがあったが、その前の幾つかの作品(今度映画化されるはこびとなった「同じ月を見ている」など)は重苦しくダークな雰囲気で物語が進んでいってた。部分部分は重かったけれど、ベースに明るさが輝いていた「編集王」「ありゃ馬こりゃ馬」のような作品をまた描いて欲しいなあと思っていたんだけど、この「夜回り先生」でまた一段と重いムードの作品を送り出してきた。IKKIに連載されているというのもまたスゴイなと思う。内容は既に多くの人が知っているあの「夜回り先生」のエピソードを漫画化したもの、土田世紀の描きこみの多い、黒っぽい画面、影描写が実にうまくマッチしている。土田世紀は「問答無用に伝えるという力」がある作家だなあと思った。決してハッピーエンドではないものが多く、さわやかな読後感はあまりないものの、人間の生き様、生きた物語を読んだなあという気持ちになる。分類すれば社会派問題作、というものになるのかもしれないけど、あえてそういう言い方や分類はしたくないなあ。あ、重い暗い書いてますけども、子供たちの日常を描いているパートは明るくてギャグもありの、編集王の一場面を彷彿とさせるものになっています。B