サプリ 1,2巻 おかざき真里

サプリ 1 (1)

サプリ 1 (1)

サプリ (2)

サプリ (2)

ほうほう、安野モヨコ働きマン」っぽい作品ですな。でも働きマンよりはもっと1人の主人公(女性)にスポットを当てて、もっと恋愛との絡みを強くしたような作品です。広告代理店でCMを作っている女性、藤井さんが主人公。表紙がなかなかオシャレだ。

えーと、こういう設定だと、個人的には普通の労働者を描くというよりも多かれ少なかれ「ギョーカイの人」なニュアンスを感じてしまうんだよなあ。働きマンもマスコミの人だし。働きマンの感想にも書いたように思うんだけど、こういう設定は、一般的な「働く人」の最大公約数の反映ではないんだろうなあ。事務職とか、個人商店とか、そういう職場の人のあれこれマンガというのもとても魅力的で面白いと思うんだけども、やっぱり「労働者のある程度の多忙性」を見せるには、マスコミとか広告代理店とかそういうギョーカイじゃないとだめなんですかねえ。9時5時の仕事の人も、世の中わりと普通にいるしなー……SOHOだって増えてるし。……というのは個人的な設定に対する感想。別に作者が悪いわけでは全く無いし、それで評価が下がるというわけでもないんだけど、「なぜこういうマンガにはこういう設定が多いのだろう。他のでもいいのでは。」という疑問を提示したに過ぎずです。

さて内容。コマ割の方法がかなり少女マンガ的な割り方で、モノローグとセリフの吹き出しがやや多く、目が絵を追うスピードと字を追うスピードが合わず、若干読みにくいけどこれは数十ページ読めば慣れるかな。新キャラとの出会いがなんともマンガ的なのだけど、マンガだからよろしい。最初に登場していた彼氏とは1巻途中で別れ、その新キャラといい感じになったりするのだけど、その新キャラにも色々あって……という展開。働きマンよりラブ要素がえらい強くてそこがパワーを感じさせる作品です。あーあと新キャラは髪の毛にベタが塗られておらず、このマンガに限らず少女マンガでしばしば白髪みたいな美青年キャラって出てくることがあるんだけど、あれはいったい何ゆえに白髪なのか。表現手法として「茶髪」とか「金髪」なのかわからんぞ。この部分の表現手法って、まだまだ発展途上なのかなーと思う次第。2巻ラストでは恋のライバルも登場で燃えるぜ! 対象年齢は明らかに20代以降、それも多分中盤以降かもしれんけど、その分「大人の前提」というものが考慮されていてなかなか読み応えあり。B+