バタフライ・エフェクト DVD
- アーティスト: エリック・ブレス J・マッキー・グラバー
- 値段: ¥ 3,343
- はてな: asin:B000AM6R00
この映画を観ながら、及び観た後で思った断片的な思考を記す。
・まさに「パーフェクト」な脚本で、2005年の知的エンターテイメントの頂上に君臨する作品だろう。デスノートが好きな人ならかなりの確率でこの作品を気に入ると思う。
・タイムトラベル的要素が強い「やりなおし」の物語。このテイストは……なんだろう、藤子・F・不二雄のSF短編集的な感覚がけっこう強く感じる。緻密に構成された絶妙なバランスと情報量、展開、そして結末。結末のストーーーンと落とす感覚は、F先生のSF短編の読後感に似ている。ラストシーンの切ないまでの切なく苦しい美しさはちょっと忘れられないものになるのではないだろうか。なので、F先生の作品が好きなフジコビトにもウルトラオススメだ。まじで。お正月観てみて!
・さらに「頭使って必死に考える」という点においては、福本正行「賭博黙示録カイジ」を彷彿とさせる。カイジファンも観て損は無しだ!
・裏テーマとして「人は、愛する人のために、○○○○○○○○○○ことが出来るか」というものもある(ネタバレになるので一応伏字)なあ。
・登場人物は濃いめの人が多いが、それゆえに個々のシーンが強く印象付けられる。
・ただちょっと後半〜終盤の展開が急ぎ足だったかなあ。因果関係というか、原因と結果の関係が前半のそれに比べてやや安易な印象を受ける。
・人は皆、膨大な選択肢の中で生きている、ということをしみじみ感じさせる。一つの行動が大きな結果に繋がる。
・人生は、自分さえ良ければそれでいいのか、愛する人との幸せを共有するために、どこまで犠牲を払えるのか。最終的には、「自分と愛する人にとって最善と思われることを、人はどこまで出来るのか」を選択させられる。
・DVDの別エンディングの監督解説は「あえて入れた」のか「サービスで入れた」のか「いやいやだけど入れた」のか僕にはわからない。しかし個人的には別エンディング収録はいいけども、監督解説自体はいらなかったかなあ。「いやあ、そこはいわずもがな!」という気分でもあるし。まああって困るものでもないけど、作者には基本的には作品で語って欲しいと思うので、内容だけ提示してもらえれば十分だったのに。
総括としてはもう文句なしに拍手。2005年最後に観た映画にして最高の作品。たまーにこういう作品がパーンと出てくるなら、映画もまだめっちゃくちゃ可能性がある娯楽だよなあ。あーこういうマンガ読みたいよおお……! A