2005年に読んだマンガを総括する
2005年総括・マンガ編!
2005年に読んだ作品(発刊された作品、ではないです)を印象・好みというバイアス変数を入れて20作ピックアップ。20って多いな! と自分で思ったけど10には絞れなかったよ……うう……。評価順だけなら単純に上から10挙げられるけど、総括ということなので個人的感慨や印象を大きく反映させてみたいと思った。
1 ドラえもんプラス 1,2,3,4巻 藤子・F・不二雄
2005年はドラえもん激動の一年だった。声優交代、そしてドラえもんプラスの発刊である。他にも「もっと! ドラえもん」「ぴっかぴかコミックスシリーズ」などもあるが、一番売れているのは多分ドラえもんプラスだろう。ああ、ああ、ああ。2005年になって新たなドラえもん作品が読める嬉しさよ。この喜びをかみ締めつつも、我侭な読者である私は、さらなる未読作品を求めるのである。5巻も早くー!
2 エマ 1,2,3,4,5巻 森薫
悩むけど、2005年ベストマンガかなあ。ジョジョとかも借りて3,4部読んですっげえすっげえ面白かったんだけどね。4巻以降の盛り上がり方は尋常ではない。舞台設定もいいなー。これからの展開が凄く気になる作品。
3 おおきく振りかぶって 1,2,3,4,5巻 ひぐちアサ
こちらもエマと同点第1位でベストマンガ。奇しくも読んだ巻数も同じである(エマは6巻が出ているがまだ未読)。野球の見せ方そのものよりも、野球をプレイする選手の心情描写が抜群にクる。グっとくる。グっときまくりである。圧倒的ドキドキ感が止まらない野球マンガ。ゼロ年代野球マンガを代表する作品になるだろう。展開も気になるけど、なんかもう全体的に「もっとこの世界を体感したい!」と思う。
4 神戸在住 7巻 木村紺
重要なキャラクターが作中で死亡する巻。このエピソードのある数話は胸が痛くなるような切ない描写が続くが、それも含めて引き込まれてしまう作品である。1,2,3巻にあったような、阪神大震災をメインテーマにしたエピソードはなくなってわりと普通の学生生活マンガになっているんだけど、それでもとても面白いです。
5 働きマン 1、2巻 安野モヨコ
これはもう実に安野モヨコ的であるなあ。こういう作品は女性作家から出るべくして出たような感じがするが、先頭切って勢いよくかっこいいタイトルで出したのは安野さんであった。爽快さと読者に投げつけるパワーが気持ちいい作品。
6 ハチミツとクローバー 7、8巻 羽海野チカ
ストーリーの展開にグっと深みが出てきた。2006年内に完結なるか? 個人的に何かと比べられることのあるNANAより好きな作品。
7 アクメツ 11、12,13,14巻 田畑由秋 余湖裕輝
チャンピオンがここまでアジりつつもレベルの高い娯楽作品を送り出すとは凄いと思った。とにかく結末が気になる。悪は滅! アクメツ!
8 彼氏彼女の事情 20、21巻(完結) 津田雅美
2005年にめでたく完結。大団円で終ってよかったなあと、素直に思います。作品中盤以降すっかり作風が変わったんだけど、これはこれでこの作品にはぴったりだったと思う。カレカノ、良かったです。
9 NANA 12、13巻 矢沢あい
バンバンとアニメ・映画化される矢沢あい。2005年のブレイクっぷりは凄かった。2006年もこの勢いで突き進むのか。力量のある作家さんだなあ。
10 いちご100%完結 河下水希
わりと長期連載だったので完結は感慨深い。真中が選んだ相手が第1話での展開からは全く別であったというところは意表をつかれたが(だってもう終盤は「ここからどうやって東城に持っていくんだ!? と気が気でなかった)、そういう強引な展開ではなく、素直に選ぶべき人間を選んでいる点は高く評価したいと思う。今のジャンプにはパンツ成分が足りていないのでまた何か連載して欲しいところ。でもこの人の今後を考えると、もう青年誌行ってもいいんだろうなあとも思う。
11 シガテラ 4,5,6巻(完結) 古谷実
なんかもう読むたびにジクジクした青春の暗部を見せ付けられるんだけど、それでも読んでしまう圧倒的な魅力があった。作品全体にみなぎる緊迫感。ジクジク・ドキドキする作品だった。
12 最強伝説黒沢 4,5,6巻 福本伸行
バカ×マジ×福本伸行である! アジフライ定食! これもひたすらに続きが気になる作品。「最強伝説」やからねーもう。楽しくて仕方が無い。
13 あたしンち 1,2,3,4巻 けらえいこ
読みたかった作品。案の定予想通り面白かった。マッタリと果物とかお菓子を食べながら読むのが最高な作品。フルカラーで絵を観るだけでも楽しい気持ちになる。
14 蒼天航路 李学仁 王欣太
漢と書いて「おとこ」と読む。三国志の英雄達が己の知恵と勇気で大活躍する激熱な作品。素晴らしい。作画、ネームの腕が物語りが進むスピードでどんどんどんどんうまくなっていくのがもうなんか涙が出そうになる。これも2005年に完結。最終巻はまだ読んでません! 読みたい! 「ネオ三国志」の呼び声高く存在感ありまくり。
15 未来の想い出 藤子・F・不二雄
こちらも非常に読みたかった作品。とにかく読めてよかった。心残りはF先生にF先生なりの「火の鳥」を描いてもらいたかったなあ……ということだ。未来の想い出も文庫化されるかどうかして、もっと幅広く世に出るといいなと思う。
16 よつばと! 3,4巻 あずまきよひこ
あずまきよひこの計算力って本当に凄い。そして丁寧。いい作品だなあ。
17 ラブロマ 3巻 とよ田みのる
2005年に完結。最後のほうはちょっとうーんと思うところもなきにしもあらずだったけど、等身大の高校生の心とか、よき純粋さとかは心地よかった。完結おめでとう。
18 できるかなV3 西原理恵子
2005年はこっち系の作品よりも、毎日かあさんや上京ものがたりなど、日常エッセイ風作品や情緒系作品での評価が非常に高かった西原理恵子である。2006年はまた旅行記とかできるかな系のものも描いてほしいなーと思う次第。
19 バカ姉弟 3,4巻 安達哲
普通に大好き。とても面白い。ちっちゃい子の行動というのは、面白いよなあ。毎回フルカラーは素晴らしい。
20 GREEN―農家のヨメになりたい 1,2,3,4巻 二ノ宮知子
のだめカンタービレが大ブレイクした2005年。農家のヨメをテーマにした作品もあったとは。これはこれで面白かったなあ、という印象。
以下、出来事として印象に残ったもの。
・杉浦日向子 死去
本当に驚き、悲しかったニュースだった。マンガを描かなくなってかなり経つとはいえ、彼女の残したマンガは僕はこれからもずっと読み続けるだろう。
・幸村誠、ヴィンランド・サガ連載開始
週間連載が無理で月刊誌であるアフタヌーンに移籍したこともまた印象深い。
・岩明均、ヒストリエ 3巻発売
今年はどれくらいのペースで掲載されるんだろうか。うー。たくさん読みたいなあと思う物語である。