エマ 6巻 森薫

エマ (6)

エマ (6)

やっと読めた。風雲急を告げるエマ6巻。装丁がダークな雰囲気なので中身も察することができようというものだ。さらわれたエマはどうなってしまうのだろうかー……というところ。展開の6巻でしたな。前々から思っていたけどエレノアさんは実にいいお嬢さんですなあ。ウィリアム坊ちゃんには若干「いちご100%」の真中精神を感じなくもない。が、わりと早い段階でなんとか婚約解消を告げたのは好感を持ったところです。少年漫画だとまずそこまでの段階でなんぼでもズルズルいってしまいそうなところをキッチリ手順を踏んでいるのは良かったなというところ。エレノアさんが理不尽に不幸になる理由なんて無いからなあ。表情を変えて涙を流すシーンはぐっときた。ウィリアムも父親との正面衝突を恐れず、しっかり言うところは言っててカッコイイ。1巻に比べて登場人物が随分成長して深みが出てきていると思います。ただ6巻では展開することに軸を置いていたためか、エマ本人の魅力があまり引き出されていなかった感が少しある。まあ、ウィリアムとのことを他のメイドに聞かれて、思わずハタキを落とすところなんかは大変かわいらしいんですけども。あと巻末の作者マンガは最近あんまりいらないかなーと思うようにもなってきた。緊迫して最後まで読んだのに、一気に脱力してしまう。B+