これから―50代の居場所 夏目房之介

内容(「BOOK」データベースより)
祖父・夏目漱石の没年49歳を超えた著者が、みずからの人生をへ理屈とイラストで語る面白エッセイ。東京新聞中日新聞で人気の連載コラムに大幅加筆。

表紙は太極拳をする筆者の写真でありますな。インパクト大だ。
マンガ研究以外の筆者の著作は、軽やかでさくっと楽しめて面白いという作風だ。「耳から毛が生えた」というネタから始まり、徐々に老いること、おじさんであること、おじさんである生活、趣味、そして死というテーマを綴っている。時折書かれるべらんめえ口調っていうんですか、江戸っ子セリフが心地いいです。全エッセイに1枚ずつ挿絵イラストがあるのですが、それも大変楽しげでいい感じだ。1つのエッセイがだいたい3,4ページの分量ながら、老いや死について奥深い話も書かれていて読み応えがあった。年をとることが楽しくなるような思いを持たせてくれる本でした。惜しむらくは分量。全部で230ページ、1ページあたり10数行なのですぐ読み終えてしまう。嗚呼〜。B+