ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い 西尾維新

3月最後はネコソギ下巻。これでシリーズ完結です。前巻までで広げられていた大きな風呂敷は、意外と小さかった、でもギリギリうまいことまとめたなー、というのが第一印象でした。回収していない伏線は放置状態でまあ美しくは無いんだけど、駄目、ということではない。作者の描きたかったことが、各種制限の中で、ちゃんと描けていたら、それで良いと思う。完結お疲れさまでしたと言いたい。

以下、ネタバレ含んでのあれこれ。

いーちゃんの本名は、ヒントは記されたものの、結局不明であった……。
・時宮が最後の大ボスになるのかなと思いきや、別にそうでもなく、いつもの問答で決着がついてしまった(このあたりは戯言使いの本領発揮でもある)。
哀川潤の復活と大活躍。彼女はものすごい主人公体質だ! かっこいい。この人を主人公にした請負人シリーズとか、外伝でやらんかな、本当に。零崎人織もかっこいいけど、彼女も負けず劣らずですよ。
・最後のバトルはタイマンのろくでなしブルース風味で熱い。
ドラクエ的な、全ての謎が解けて全ての意味がわかる、という構成ではないね。
・イラスト竹さんの絵がものすごく変質している。クビシメの頃とは全く違う印象。びっくりする。
・いつでも外伝や続きが書ける構成だなあ。
・「生きていることの実感と不安」という青春的テーマを見事に描ききったと思います。
・大団円。哀川さんじゃないけど、ハッピーエンドがいいよねやっぱり。生きてて良かった。
・恥ずかしい告白大会笑った! 「実は俺なんも考えてねー」笑った! だははは。
戯言シリーズ、これにて終了! また読み返したいね。個人的には地元、京都の地名と場所が随所に出てくるクビシメが一番思い入れがあるというか、好きかなあ。
・あとがきで書いてあったけど、シリーズ通算で200万文字ですか。凄いなあ。
・良き物語でした。A

りすかシリーズも楽しみであります!

参照リンク
限界小説書評
4人の書評あり。
9-D - ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い(ネタバレあり)
おお、なんか藤子F先生のFワールドのような世界のつながりを感じる! いいねえこういうの。大好きだ。