バッテリー 3,4巻 あさのあつこ

バッテリー 3

バッテリー 3

バッテリー〈4〉

バッテリー〈4〉

出版社 / 著者からの内容紹介
「自分の限界の先を見てみたい。自分の力を見きった先に行ってみたい」強豪横手との練習試合で完敗した巧たち。自分では巧の球を受けきれないのでは、という恐怖心を感じてしまった豪は…!超人気作待望の新刊!

3巻。おお、やっと試合になるぜ! ということで楽しく読みました。3巻では横手高校という全国ベスト4と試合をし、どうなるかと思いきやなんと主人公・巧は崩れて打たれてしまう。メンタルが身体に及ぼす影響というものを、ピッチャーとキャッチャー、バッテリー間の心理描写で表現されている。その前段階の1年と3年の紅白試合もジリジリとした熱気と緊張感が溢れていて好印象でした。4イニングで終わらせたのもテンポがあって良かったと思います。そして横手との試合。試合、というよりも1人の天才バッターとの対決がメインでした。盛り上がりとポーンとした突き放しの落差。次どうなるんだーと予定調和を予感しながらもヒキが良かった3巻でした。B+
4巻。色んな登場人物がどんどん掘り下げられてゆく。巧の弟・青波は物凄く観察眼が鋭い人間として描かれており、性格も人懐っこく爽やかで将来が楽しみな子だなあと思った。横手の門脇、瑞垣らとの三角ベースは、なんだか「フィールド・オブ・ドリームス」みたいできらきらした光景を想像してしまった。ライバルも色々あるけど、魅力的なやつらだ。瑞垣の複雑な性格は、けっこう共感できるところがあるなあ……。あそこまで露悪的ではないですけども。ラスト1ページは、美しかった。さて、次の5、6巻で完結。どうなるかな。A-