バッテリー 5,6巻(完結) あさのあつこ

バッテリー〈5〉

バッテリー〈5〉

バッテリー〈6〉    教育画劇の創作文学

バッテリー〈6〉 教育画劇の創作文学

書籍合計6冊読了。ううん、1巻の時点で予想していた、あるいは期待していたような「試合を通じて勝利する!」というようなカタチでのカタルシスは無かったのは残念なところだけど、かなり面白い児童文学作品ではあった。キャラクターの掘り下げや成長は、これからももっともっと描けるであろうストーリーだったので6巻で終わるのは少しもったいないような気がした。主人公・原田巧の弟である青波くんが今後成長しまくりそうだったので、兄弟対決あるいは弟が勝つところを見たかったような気もする。あとはやっぱり、吉貞がいいなあ。飄々としながら本質をブラさない言動、なかなかカッコイイ。同じようなタイプの瑞垣も、まあ共感は出来るんだけど中学生とは思えない狡猾さと悪質さがちょっとなあ。
6巻のラストシーンはマンガによくありそうな雰囲気の流れだった。試合があるっていうことと、残りのページ数を照らし合わせてどうやって処理するんだこれとドキドキしながら読んでたら案の定試合全部は描かれず。まああれか、この物語は「バッテリー」の物語であって、「野球」の物語ではないというところにかんがみれば、納得いくところです。爽快さと重苦しさが同居していた良作。B+