涼宮ハルヒの動揺 谷川流 いとうのいぢ

涼宮ハルヒの動揺

涼宮ハルヒの動揺

あー、昨日のアニメ版「涼宮ハルヒの憂鬱」は録画失敗。来週最終回だなあ。さてハルヒ動揺。短編4作品を収録。これくらいの短編のほうがサクっと読みやすいなあ。作品発表順序の作品内時間が、キョンの回想によって展開される作品が多いのでズレてるんだけども、まあついていくことは難しくない。

ライブアライブ
あ、これは神作画で話題になったアニメ版12話のENOZのライブのやつですな。「動揺」のニュアンスがアニメ版とちょっと違うなあ、ということを印象として記録しておきたい。人間の成長を垣間見る瞬間である。

朝比奈ミクルの冒険(以下略)
小説で映画を説明するとこうなる、ということか。うーん。みくるの魅力をふんだんに伝える1作。みくると長門はキャラ立ちまくりだなあ。僕はハルヒはちょっと性格的に合わないので(同様に、巻き込まれ型の語り部たるキョンにも幾分不満はある。なんというか、ずうずうしいやつとずうずうしいやつに結果的にいいように使われるやつ、みたいな。厳密にはそうでないんだけども、大まかな類型的にさ。)長門さんの変化が個人的に一番面白いんだけども、みくるさんの不変な部分もまた魅力的であります。

・ヒトメボレLOVER
数年ぶりに電話がきて話がある、会いたいとかいうのはたいてい宗教か怪しい商品なんだけど、このエピソードは恋愛ということで、穏やかに話は進んだ。ここでも長門さんの変化がちょっと見られて個人的に面白い&嬉しい気分。

・猫はどこへ行った?
メタ探偵モノその2って感じですな。館につくまでにかなり凄いことが色々あったみたいだけどそれは後で語られるみたいでこのエピソードではその話はかなりあっさりカットされていた。伏線引っ張るなあ。忘れない程度に後で思い出させてくれるとありがたいかも。鶴屋さんの喋り方、こういうしゃべり方をする人って高校にもいたよーな気がするなーと思って読んでいた。鶴屋さんは爽やかでいい人だね。

朝比奈みくるの憂鬱
みくるさんの内面的変化的なエピソード。かなりナゾいので終盤までピっと張り詰めた空気があってよろしい。短編集の最後を締めくくるにふさわしい内容であったと思います。

全体的に、少しずつキャラクターが変化していっているのだなあ、ということがわかる作品だった。ズイズイと他のも読んでいきたいところです。アニメ版との相乗効果でグリグリと面白い作品ですな。小説単体だったらここまで個人的に関心を持たなかったかもしれないしなあ。B+