ゲーム業界に新海誠は現れるのか

ドラクエ9がDSで発売されるという事実を受けて、つらつらあーだこーだと色々考える。PS2でもいいじゃないか、と思ったんだけども、今一番勢いがあって売れてるハードはDSであるからして、チョイスは間違ってはいないと思う。「PS2持ってないけどDS持ってる層」へのアピール効果も大きそうだし。

一方、FFと並ぶ大作RPGの雄が拡大・大型路線から降りてしまうことは、それはそれで衝撃的だった。元々ドラクエシリーズはグラフィックで売ってたわけではないとはいえ、8での3D化は革命的であり、この流れは今後も続くものだと思っていた。その矢先でのDS化。ただ、詳しくはわかんないけど、感覚的にはDSでもプレステ1くらいの性能はあるので3D的なものは一応可能なのだろう。

さて、これで大作主義の終焉のはじまりになったといわれるが、どうか。大作への需要自体は一定程度あるが、供給側の開発リスクが大きすぎることによってペイできないので、数は減ることは間違いないだろうと思う。しかし、ミニゲーム的なものばかりでは満足しない層は存在する。僕だってそうだ。たまにはすごいのをやりたい。そう思ったときに、選択肢があまりに少ないのは悲しい。

これから先、PS3なりWiiなりの開発コストは、下がることはあるんだろうか? ゲームの製作に関する費用って詳しくはわかんないけど、どうなんだろう。「アイデアを具現化する」ためのコストって、昔と比べて相対的には低くなりまくってきてると思うんだがなあ。アニメでも1人で作れる時代だし。ゲーム業界に、新海誠は現れるのだろうか。かつては堀井雄二が、ほぼその位置にいた。今はどうか?

RPGツクール」というツール的ソフトがある。これで一応、1人で作れることにはなってるものの、そこから国民的人気ゲームが生まれた! ということは、今のところない。PC関連で「ひぐらしの鳴く頃に」が生まれたのはほんとにスゴイ出来事だと思う。そういうのもあって、かまいたちの夜のようなノベル系ゲームは、かなりの少人数でローコストで作ることは原理的にはかなり可能性があるかなとは思っている。

しかし、既存のゲーム枠からドーンとはみ出た、映像や音声やジャンルやゲーム性において、これまでにないようなゲームが、1人あるいは数人のゲームクリエイターによって生まれることは、なかなか難しいのかもしれない(会社からでもそんなのはそうそう出ないし)。何より、ゲームというのはプログラムとグラフィックと音楽、その他もろもろ必要とされそうな能力・才能のジャンルが多いので、1人で全部やれるというのはそうそうない。

とまあうだうだ書いたけど、どうなるんでしょうねーゲーム業界。ゲーム屋の棚にも限界はあるんだから、ハードが乱立してるのも棚を圧迫してあまりよくないと思うんだけど、文化の多様性という点からすれば、選択肢は多くあったほうがうれしいもんなあ。

既存のツールを使って、一部のジャンルのゲームは1人あるいは少人数でも製作可能であるとは思うけども、どうしても物理的にカネやヒトの物量が必要になる要素のあるゲームでは、1人では難しいのではないかと思ってしまうところです。そこそこ遊べるフリーゲームは数あれど、じゃあそこに何千円か払ってもいいな! と思えるほどのものは僕は今のところ、無い。中古で2000円も出せば過去の人気作品が余裕で買える現在、個人の新規参入の要素はあまりないのが現状かもしれません。

将来、ゲームの製作ツールが今よりもっと安くいいのが手に入るようになったら、また状況は変わりうるとは思うんですが。あ、ジャンルとしてはエロゲー、同人ゲームというのは大きく冒険できる部分があるんで、そういうとこでは変な作品とかどんどん出る可能性は高いと思います。ゲームクリエイターの才能がこっちに流れたら、それはそれでかなり面白いぞ。