鴎外のマカロン―近代文学喫茶洋菓子御馳走帖 奥野響子

鴎外のマカロン―近代文学喫茶洋菓子御馳走帖

鴎外のマカロン―近代文学喫茶洋菓子御馳走帖

内容(「MARC」データベースより)
ボンボン、ワッフル、マカロンなど、主に明治~戦前の文学中の菓子・飲み物をまとめる。どんなものが楽しまれていたのか、背景はどうであったのか、文豪の手にかかるとどうなるのかを知るための手がかりとなる一冊。

明治大正昭和初期ぐらいの時期における、文学作品で出てきた洋菓子や飲み物を紹介した本。77ページとすぐ読める。鴎外や漱石、内田百聞、芥川龍之介などの作品における色々な洋菓子が大変そそる。ボンボン、ワッフル、シュークリーム、ソーダ水、チョコレート、カステラ、ドーナツなど、当時の時代の中での位置づけはどのようなニュアンスだったのか、雰囲気が感じられる。漱石と芥川はめちゃめちゃ甘党だった、ということがわかったりすると、何とも文豪に親近感が沸くことである。

和菓子よりどこかハイカラな雰囲気があるこれらのお菓子、昔と違い今ではコンビニですぐ手に入る世の中になっていてそれはそれで大変うれしいことなんだけども、あんまり手に入らない、という希少価値というのは精神的な美味しさをアップさせるものがあると思います。夏のソーダ水、いいじゃないですか。来客の手土産のカステラも熱い。

それにしてもこんな面白興味深い本をどこが出したんだろうと思ったら、丸善の出版だった。さすがだなあ丸善。B