目の玉日記 小林よしのり

小林よしのり 目の玉日記

小林よしのり 目の玉日記

とても面白かった! ギャグテイストが非常に強い闘病記で、ゴーマニズム宣言の初期の、パワーとスピード感溢れるツッコミが随所に見られて楽しかったというのが何より嬉しい。「眼球」という繊細な部位は、手術するにせよどうするにせよ、ネタとして大変大きなものだ。症状の自覚から始まり、何人もの医者にかかるところ、信頼できる医者との出会い、手術の様子など、さすがマンガ家の記憶力、記憶再現力はすごいと思った。普段から見聞したものを作品にしているよしりんだから、というのも大きいと思うけど、たいしたもんだなあとしみじみ思う。

クライマックスは手術〜物がはっきりと見えるようになるところの流れだろう。手術シーンは眼球にメスが入るシーンなどがこれまた作者の記憶力によりありありと、生々しく再現されておりドキドキする。医者にあやされるようなことを言われたよしりんが「フンッ……」と言って、「鼻で笑ったよ! ほんとに右翼だな〜この人!」と医者に言われるシーンは爆笑した。

こういう非・社会派でギャグテイストの強い私的エッセイマンガもガンガン描いて欲しいなあと心から思う次第。ほんとに面白い。A-