少女ファイト 2巻 日本橋ヨヲコ

出版社/著者からの内容紹介
「私は……自分の個性をなくしたいです」
練を待っていたのは、新たな出会いと戦い……!!黒曜谷高校編スタート!!

変な言い方だけど、「しっかりしたマンガだなあ」と思った。1巻の感想 - 『少女ファイト』と日本橋ヨヲコの描きたいモノで既に書いたけど、背景や小道具の記号化・類型化は相変わらずだけど、人物の内面への踏み込み描写はいよいよ鋭く、群像劇が面白くなってきた。
黒曜谷1年のメンバーそれぞれのエピソードがこれから描かれるのだろうかな。個人的には長谷川さん編が今から大変楽しみだ。『G戦場ヘヴンズドア』との繋がりを示唆させるセリフもあったし、嬉しい読者サービスである。注目のキャラクターは初心者で長身の小田切さんと、経験者だが性格にムラのある伊丹さんだ。まあ性格にムラがあるのはどの人物もそうなんだけど、伊丹さんはともすれば他の部員と対立しやすいメンタリティを持っているような描写が多いので、気になるところ。小田切さんのバレーの向上に伴ってどうなっていくのかが面白そうだ。2巻も高いレベルで安定して面白かった。B+

あと気になったんだけど表紙カバーに単行本絶賛発売中って書いてあるんだが、そこに『G戦場ヘヴンズドア』は書かれて無かった。少女ファイト講談社、G戦場は小学館なんだから仕方が無いのだろうけど、何となく微妙な気分になったな……。寡作なんだから全部宣伝してあげて欲しい。そういうのが漫画家を大事にするということでもあるような気がするのだがなあ。もちろん、作者が版権を講談社に移すという手段もあるのだろうけど。