ズッコケ中年三人組 那須正幹

これがage41の前作にあたるもので、3人組が40歳のときの話。ハチベエだけ誕生日前で39歳だった。モーちゃんの家庭の嫁姑の微妙な距離感やハカセの中学教師としての日常がイントロで描かれている。で、ハチベエはクラブのねーちゃんに入り浸って、ホテルで浮気するところまで描かれているのが凄いインパクトだった。ハチベエって昔からそんなに女好きだったっけか?
少年時代に対決した「怪盗X」が再び現れ、因縁のあった人間から名画を盗むという予告が来る。僕はこのエピソードの元の本(怪盗Xが出てくるもの)は読んでいないんだけど、そういう人にも筋と人間関係は非常にわかりやすく書かれていて読みやすかった。次のage41は妙に現実味が溢れていたけど、この怪盗Xは少年時代のキャラクターを大いに引きずっているものであり、いい具合に非現実感があって、こういうのがズッコケの世界設定だったなあと思い出した。
あとがきに「次は10年後の熟年三人組でお会いしましょう」と書いてあったが、すぐに41歳編が書かれて出版されるのであった。B+