300(スリーハンドレッド)

300[スリーハンドレッド]公式サイト
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予告編を見たときから、僕の好きそうな映画だなーと予想しておりぜひ観たかった。公開最終日になんとか間に合って鑑賞。いやもう、非常に良かったです。少なくとも個人的には大いに気に入って満足。

血液ブシャっという描写とか、場合によっては人を寄せ付けない要素もあるけど、鍛え抜かれた肉体の躍動など、人を引き付ける要素も多分にある映画だった。好き嫌い・苦手がわりとはっきりしそうだけど、ある意味、「好きな人の好きで観てる部分」と「苦手な人が嫌がる部分」がかなり別になる映画なような気がした。

僕は「少人数の精鋭VS圧倒的大軍」の危機シチュエーションがムチャクチャ好きなので、まあそういう点でロード・オブ・ザ・リングもムチャクチャ好きなんですけども、この「300」も同じで大いに気に入りました。まあ300人というのが少人数といえるのかは一つありますが、敵が1000000人いるので、相対的には圧倒的少数と言っていいでしょう。

レオニダス王=ジェラルド・バトラーの鍛えまくった肉体は凄い。ハリウッドスター俳優がガチで鍛えるとここまで筋肉は発達するのか! と。他のスパルタ兵も尋常ならざる肉体美を惜しげもなくさらけ出している。個々の兵士の英雄的活躍が、キメ絵をスローモーションで見せているので彼らの挙動、狙い、強さが実によくわかる撮り方をしているので、観ていて分かりやすい。この肉体の動きがよくわかるように、露出度の高い服装になってるんだなあ。あの鼻のところまで伸びた兜はカッコイイですね。まさに戦闘アート。

また、敵の化物、異形っぷりもちょっと尋常じゃない。こういうマンガチックな所もまた、ケレンミがあって僕好みでいい。なんかこう、人生にはたまに「これは自分のために作られたものでは!?」と思うくらい感情移入したりハマったり感動したりする作品に出会うことがあるが、けっこうそういう感じかもしれない。邪術師とか仮面の忍者軍団とかフランケンっぽいモンスター人間とか、「なんじゃそりゃあああ〜」なんだけど、大いに許す。という心境。

しかしまあ、高校のときに習った「テルモピレーの戦い」がこうやって見られるとは思わなかった。ファランクス隊形とか不死部隊とか、ニュアンスとしてはこういうものだったのかと。いや、不死部隊は絶対に忍者ではなかったんでしょうけど。なんかこう、全編セピア調の色合いで映像が処理されていて、一種ファンタスティックなムードもあり「マトリックスに匹敵する映像革命」という触れ込みは賛否はあれど、やはり伊達じゃないですね。ギリシア時代の一枚の絵画のようなムードがある映像は、確かにこれまでにはあまり観たことがない。こういう「今までに無かったものを作ろう!」という積極性、チャレンジング精神は大いに買いたい。なおかつ、その姿勢と商業上ちゃんとアテに行ける内容の積極性なので、高く評価したい。

中盤以降重要な役どころとなるディリオス役のデイビッド・ウェナムも非常にいいです。オイシイところを持っていく活躍ぶり。サラミス海戦も映像化して欲しいなあ。

絶対負ける戦いにおいての死の意味、みたいなものが一つ作品の軸にありますが、それは日本の特攻隊の「副次的効果」みたいなものもあったんでしょう。現実ではこの戦いの後もペルシア戦争は当面続きますが、クセルクセス王の内心はどうだったんでしょうか。かなりの好条件で停戦を持ちかけられても断固として拒否したレオニダス王だが、個人の意思と国民の生活とを政治的に考えた場合にその判断が正しかったのかどうか、これはまあよくわからないところだなあ。しかし「じゃあ和解しまーす」と言って戦争が終わると映画として成立しないしな。

とはいえストーリー、映像、音楽も十分堪能しました。エンドロールもバリバリカッコよかった。エンドロールがカッコイイ映画は久しぶりだなあ。A

参考
テルモピュライの戦い - Wikipedia
レオニダス - Wikipedia

B000S1KRLI300: The Complete Recordings
Original Soundtrack
Warner Bros. 2007-07-31

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サントラです。戦闘シーンの音楽は相当カッコ良かった。スパルタの自由と厳格さが強調された雰囲気。