西遊記 DVD

こっちはラブ★コンの「マンガ感覚」に比べると非常に「特撮感」がありまくる。平成の特撮技術ってこれぐらいのレベルだったの? とちょっとあっけにとられてしまった。テレビ画面で見てそう思ったので、劇場だとどうなんだろう。ごまかしが利くのか、あるいはもっとアラが目立つのか。前半の転がる石に追いかけられるパート、中盤の銀閣と戦うパートともになんか妙に平成初期のCGっぽさが溢れていてある意味面白かったが、金かけて撮った凄い映像観たいぜ! と思ってお金払って劇場で観るなりDVD観るなりをしている側から言えば、率直に言って安っぽく思う。同じお金でロード・オブ・ザ・リングナルニア国物語あたりなんて、凄まじく派手かつハイレベルな映像が楽しめるわけで……。まあ邦画の予算的には仕方ないことなんだろうけども(しかし、客の側がこれは予算少ないからしょうがないよねなんて配慮は別にいらないと思う。制作者だってお金無いからなんてエクスキューズはしていないわけだし。)しかし中国でのロケシーンはストレートに反映されていて、大陸のデカさがわかるところは随所にあった。予算はここと特撮技術に割かれたか。

じゃあどう楽しむのがベストなのかというと、そりゃテレビドラマ版のゴージャス版、延長として、テレビのノリで楽しむのが最も適切なのだろう。さすがにテレビよりはめちゃくちゃお金かかっているわけだし。香取さんの力の入った「ウッキー!」演技で高いテンションは維持されつつ2時間しっかり貫いた。まさか終盤超サイヤ人化するとは驚いたなあ。そこからのケレンミは流石たいしたもので、テレビ版でもおなじみ悟空の「なまか演説」! これはしっかり盛り上がった。細かいところでの猪八戒沙悟浄三蔵法師らの関係性などはテレビ版を観ていないと深く分からない部分もあるかもしれないが、概ね香取西遊記初見でも大丈夫なようになっている。年末年始あたりにテレビでスペシャル放送されるコンテンツとしては最強クラス。ラストのガンダーラはとても良かった。B

余談だけどこっちの「西遊記」は序盤のゲームで遊ぶパートが終わるとガチで非常に怖いストーリーになっていて凄い。藤子F先生が原作をコロコロで連載しておらず、劇場版オリジナルのストーリーである。そのせいもあってか全編かなりシリアスな雰囲気で物語が進む。のび太のパパが夕食を喜ぶくだりや、ママが2階に上ってくるくだりはムチャクチャ怖いです。