さくらん DVD

安野モヨコ原作の映画化。あの世界の色彩をこう表現するのか、というところ。ギラギラとしていてサイケで鮮やか。派手である。原作および杉浦日向子さんあたりが言及しそうな遊郭の絶妙な繊細さはあまり感じられなかったのは残念。とはいえ、こういう色彩は、劇場ではすごく見栄えがいいものだと思う。グっとその世界に引き込む力が作用しそうです。

土屋アンナさんの演技はどうなのか、という点については、正直うまいのか下手なのか「よくわからんなあ」と。しばしば棒読みのように感じられるセリフがあるし、「おっ」と気を引くシーンもある。つまりはまだまだ成長過程にある人なんでしょうなあ。ただ、きよ葉=ひぐらしという「トップの花魁」というイメージではなかった。土屋さんについては、今度下妻物語も観てみようと思ってます。しかし声がまちゃまちゃにとても似ているね。そう考え出すと顔もなんだか似ているような気がしてきたりして……ははは。そうそう、菅野美穂さんは非常に色気がありました。たいしたものですなあ。

椎名林檎の音楽は、この映画にはもうこれしかないだろうというくらいマッチしてます。ここ一番でかかる曲はパワーがあり耳に効く。

ラストのお禿のセリフは果たして必要だったのかどうか。シンプルな脚本で悪くはないと思うんだけど、大爆発するポイントがなくってどうも細かいところで少しずつ減点してしまう印象がある作品だった。でもこれ映画館で観たらほんとに桜とかドンと出てとても綺麗なんだろうなあ。色彩と音楽の情緒は凄い。

原作でも印象深いシーンだった「笑う鬼だ」のところはなかなか迫力がありました。B-