はてなダイアラー映画百選

はてなダイアラー映画百選 - ネットなんか、繋がってしまえ!
http://d.hatena.ne.jp/nagisan28/20071002/1191331710
より回ってきました。遅くなってしまいすいません。

何を書くか散々迷ったが、やっぱり直球ストレートでいこう! ということでこの痛快娯楽作品を挙げたい。ツカミがいい、キャストが新鮮、観て楽しい、ハッピーエンドで観終わって心地よい、元気になる、そんな映画を選んだ。最近レンタル開始されたところなので、興味がある方は手にも取りやすいかしらというのも少しあり。

僕はミュージカル映画、歌や音楽がたくさん出てくる映画は基本的に楽しくて大好きなんですが、色んな音楽映画の中で最も好きな作品がこれだ。

60年代アメリカはボルチモアでローカルのテレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」。主人公トレーシーは、その番組が大好きで、いつか出演したいと思っている。そんな矢先、番組に欠員が出て、出演者を募集しているという。トレーシーはさっそく、番組に出演するべくオーディションに参加するが……という展開。この番組のスポンサーが、ヘアスプレーの会社だ。僕は60年代アメリカのヘアスタイル、スプレー文化は全く知らないので、そういうものかーと思って観ていた。

物語冒頭のトレーシーの通学準備、通学シーンから歌が流れ、グッとこのヘアスプレー・ワールドに入り込むことができる。ユニークでノリのいいトレーシーの姿に、観客は彼女のキャラクターを冒頭の1曲でつかめるのはうまいなあと思う。太っていてヘアスプレーでカチカチのヘアスタイル、妄想しがちで頭は良くない、いいとこ全然無いじゃないかという感じだけど、全くそうではない。彼女は行動において狡猾なところがなく、確固たる自己を持ち、実に健やかな性格をしている。教師からは好かれていないけど、日常はいつも楽しさに満ちあふれていて観ていて心地良い。

中盤以降、この番組のあり方と黒人差別が大きなカギとなって物語が進む。番組の司会者である「コーニー・コリンズ(ジェームズ・マースデン)」がイイ顔して実に先進的な意識の持ち主であり、トレーシーや黒人出演者に魅力を感じ、自分の番組に誇りを持っている。僕は彼の顔があまりにもイイ感じなのでお気に入りだ。番組中随所に映される彼のツラに注目してください。オトボケ具合とそれを自分が理解している具合の絶妙さがたまらない。

ジョン・トラヴォルタの女装&ダンスも素晴らしい。旦那役のクリストファー・ウォーケンとのダンスも素晴らしく燃え上がるところだが、クライマックスで実にオイシイところを持って行くのも流石。トラヴォルタの尻フリシェイクが堪能できるのは、この作品だけ!

サブストーリー的に展開される、トレーシーの親友と黒人の少年の恋愛も面白い。彼らのやりとりも、最後にいい爆発をもたらす。

他にもたくさんの見せ場があって、最初の1秒から最後の1秒まで飽きることなく楽しめた。悪役、ライバル役もほどほどにイヤな奴なんですが、あくまでコメディ的な悪役であり、最終的にはやった悪事相応にのされてしまうのでそれ以上の腹立たしさは無く、爽快感を引き立てる結果になっている。ほんとにみんなが楽しめる、素晴らしいエンターテイメント作品だ。

NEXT→id:enomさんに好きな作品を好きなように語って欲しいところです。