男たちの大和/YAMATO DVD 反町隆史, 中村獅童, 鈴木京香, 渡哲也, 仲代達矢

男たちの大和 / YAMATO [DVD]
男たちの大和 / YAMATO [DVD]佐藤純彌 辺見じゅん 久石譲

東映 2006-08-04
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内容(「GAGAデータベース」より)
辺見じゅんの原作を『敦煌』の佐藤純彌が監督、反町隆史中村獅童共演で描く戦争ドラマ。太平洋戦争下、祖国を守るため、戦艦大和に乗りアメリカ軍艦載機との戦いに臨んでいった若者たちの命運を描く。6億円を掛けて再現した大和のセットも話題に。

豪華キャストによる戦艦大和映画。2005年の年末公開で、興行収入52億円で邦画ナンバーワンヒットをした作品。確かにめちゃくちゃお金かけただけあって、大和のセットは非常に素晴らしい。戦艦大和は、日本史上最も美しい戦艦なのではないかと思う。その大和の乗組員、一水兵から見た太平洋戦争、そして大和特攻の物語。彼らが命がけで守ろうとしていた日本の未来が、我々が生きている現代である、ということを認識させられる。公開当時、CMでイヤというほど長渕剛による主題歌が流れていたが、なるほど本作のイメージにはかなりマッチしているなと思う。

観る前にこの作品に抱いていたイメージとはちょっと違ったかな。もっとハードボイルドなものだと思っていたんだけど、そうでもなかった(相対的な比較対象として、戦争を描いたもので本作よりさらに重苦しい雰囲気を描いた出来映えであった佐々部清出口のない海』を挙げたい。)。本作は陸の描写がわりと丁寧で、当時の生活と基本的な思考フレーム、疲弊していく農村が描かれていた。ドラマ部分は割とシンプルではあるが、主要な登場人物それぞれの立場、それぞれの役割を描いており、単純に軍部=悪という描き方はしておらず、ベースが骨太の反戦映画だなと思った。大和がカッコ良く描写されているから戦争賛美とか、登場人物が国粋主義マッチョ思想だから戦争賛美とか、そういう次元の問題ではなく、国難として、外交手段として戦争というものはある、あるかもしれない、しかし外交原則としてすべきではないし、平和に恙なく生活できるのが一番良い。愚かな作戦や政策で、国民を犠牲にしてはいけない。まあ、アメリカ側の描写がほとんどないので、感情移入が微妙にしにくい点も少なからずあったのは惜しいな。

クライマックスの大和特攻は大変な迫力で、これは大画面で観ると見応えがあっただろうなと思う。仲間の身体が吹っ飛び血だらけになっても、男たちは戦った。艦内の医師も必死に救命活動を続けた。飛び交う銃弾とボロボロになっていく大和。反町隆史中村獅童松山ケンイチなどが熱演で良かった。中村獅童は『ピンポン』のドラゴン役の頃から観てるけど、こういう役が似合う。反町隆史も、昔より男くさい役者になったなあ、大河ドラマの「で、あるか」織田信長も僕は嫌いではなかったし。主題歌の長渕剛も男くさい男であり歌手であり、反町さんも歌手能力がさらにアップすれば、ああいう方向に行って長渕剛の後継者になりうるんじゃないかなと思った。名作・傑作とまでは評価しにくいけど、間違いなく近年の戦争邦画の力作ではある。B