フラット革命 佐々木俊尚
フラット革命 | |
佐々木 俊尚 講談社 2007-08-07 売り上げランキング : 79802 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
内容(「BOOK」データベースより)
大新聞・巨大メディアの没落、ネット右翼と左翼の対立、ミクシィ的人間関係、出会い系、ブログ炎上と終わりなき論争―。『グーグルGoogle』『次世代ウェブ』の著者が、日本を根幹から変えはじめたネット社会の真実を明かす。
佐々木さんは、現代の「ネットの速度、影響、ウェブの感覚」というものを非常にうまく言語化できる人だなあと思った。瞬間最大風速ではこの人が日本で一番うまく言語化出来ているんじゃないだろうか。マスコミ制度の没落、ブログ論壇の発達、出会い系の流行・発達、匿名性の議論など、色んな切り口から現代のウェブ文化を読み解きつつ、「公」の崩壊と「私」の台頭をキーにこれからの社会が語られている。この「私」は「個」と読み替えてもいいのかな。そうなるとかつて小林よしのりが語っていた『「個」と「公」論』にけっこう似通っている部分があるかなという印象。インターネット人口は、これからも増加することはあれ、減少するということはほぼありえないだろう。そんな中で、インターネットが社会の枠組みをどう変えうるのか、そのとき既存のメディアというものはどのように変わっていくのか。非常に面白く読めた1冊だった。「ことのは」事件の詳細な流れはこの本ではじめて知ったのだけど、そういう展開だったんだなあ。オモテに出てきた結論的な部分しか知らなかったので、興味深かった。A