からん 1巻 木村紺
からん 1 (1) (アフタヌーンKC) | |
木村 紺 講談社 2008-10-23 売り上げランキング : Amazonで詳しく見るby G-Tools |
木村紺作品ということで神戸在住初期以来のファンである僕は絶対に読むのであった。神戸在住とも、巨娘とも違った色合いの作品。3作目だけど引き出し多いなーという感じだよ。震災後の神戸を舞台にしたエッセイ風大学生活、巨大な娘の巨大っぷりを楽しむギャグマンガ、そして女子柔道スポーツものときた。こういう本格的な女子柔道ものといえば、浦沢直樹のYAWARA!以来かなあ(少なくとも僕が読むのは)。
柔道全国レベルの女子が、お嬢様学校の高等部に外部入学したところから、正確に言えば合格したところから物語ははじまる。1巻はもう本当に序盤も序盤、主要なメンバーの顔ぶれを一通り揃えるまでくらいで終わってるのだけど、色んな立場、強さの子がいて、これだけで「これからどうなるんだろう」感がたまりません。木村紺作品は最近、強い女の子、強気な女の子がたくさん出てくる。神戸在住にも主人公の旧友・愛ちゃんなんかちょっと巨娘に似てるし、巨娘に至っては精神と肉体両方が非常に強い女の子が多数出てくる。この「からん」は、柔道部に入部する主人公以外の1年生は、皆基本的に初心者だ。強い女の子の「弱さ」を描くと同時に、弱い女の子の「成長」も描いてくれるのではないかと思っている。あー、本当に1巻はド序盤だよ。作者が全てを描ききって連載を終えるのは、今度は何年後かなあ。B+