ビアティチュード 1巻 やまだないと

ビアティチュードBEATITUDE 1 (1) (モーニングKC)
ビアティチュードBEATITUDE 1 (1) (モーニングKC)やまだ ないと

講談社 2008-10
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漫画家、「花森ショータロー」と親友の「クボヅカフジヲ」が主人公、なのかな。トキワ荘の面々と巨匠達の活躍しはじめた「あの時代」の「あの物語」を、やまだ視点で換骨奪胎した物語で、大変面白い。

第1話では、石森がモデルであろう花森ショータローが「トキオ荘」に入居するところまでで、テラさんこと寺山ヒロオ(テラさん)、小池伸二(鈴木伸一)、小池に居候しているカメモリテツジ(森安)、ツノ☆ジロー(つのだじろう)、永野耳丸(永田竹丸)、藤野富士雄(本名ナイトー)(藤子不二雄)と出会う。誰が誰のモデルなのかというのは、まんが道フリークならすぐ分かるくらいの親切設計であります。面白いなと思ったのは、藤野富士雄は2人じゃなくて「1人」という設定。これが後からどう影響するのか、楽しみだ。あと松葉は小料理居酒屋になってる。第2話では、花森に憧れる「水島ユミ子」がトキオ荘に入居。その後、小池氏がヨコヤマプロに入ることになったので、トキオ荘を出て行く展開(「俺の生活はどうなる!」と狼狽する居候カメモリ氏)。1巻は大枠の舞台設定を着々と作っていった感じかなあと思う。

なにより花森ショータローが主人公というのがかなり新鮮で非常に面白い。彼と彼の姉を巡る回想シーンが多々あって、なんだかしみじみとする。クボヅカフジヲも、昔のイメージ通り、めちゃくちゃ美青年だ。繊細な自意識を持った、美青年だ。視線のゆらぎは官能的ですらある。花森とクボヅカのこれからは、どう描かれるんだろうか。 そして「クボヅカの母」と設定されたいう謎の女性。やまだないとの綺麗な線で描かれる、トキワ荘の新たな物語。とてもいい。

しかしこれ掲載誌が増刊モーニング2なのでなっかなか出ないね。2006年初頭に1話が掲載されていたみたいだし。1巻発売が2008年10月末なので、2巻は今年は出ないだろうなあ……。A