1月9日 岡田斗司夫のひとり夜話 大阪第5回参加レポ その1

携帯百景(ケイタイヒャッケイ)

相変わらず、次の夜話直前くらいの更新です。
前回が3回分の更新になったからねー。今回も複数回になりそう。
イベント内の情報量が凄い(笑)ので毎回お得感を味わっている。

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「岡田斗司夫のひとり夜話」 - 地球にマンガがある限り!

1時間のマチネー企画はほぼ宇宙戦艦ヤマト一本。他、アメリカのロケット基地の話など少々といったところ。

俺の斜め後ろくらいに、海洋堂の社長(あだ名はセンム)がフツーに座ってたのでほんまビックリした! マチネー後「なるほどおもしろかったわ〜」といって帰ったとのこと。あのビジュアルはインパクト大だよな〜。

1時間目は「質疑応答」そもさん、せっぱ! の如く繰り出される質問と回答の応酬が非常に面白かった。大まかにメモった範囲をゆるやかにレポしてみようと思います。

Q 昔岡田さんはネットはバカが使うものという見解だったと思うが、今ツイッターなど活用している。ツイッターは自分の思考の安売り的な、お金を捨ててる的な感覚があるのだが、どうか?

A ネットは何かしらの問題についての「答え」的なものが非常にすぐ見つかる、見つかりやすい。考える前に問題について検索してしまうと、自分の考えるという手間がなくなり、ネット上の意見にとても影響を受けやすくなってしまう。ツイッターは今まで出来なかった公開実験が色々出来ているので面白い。

影響受けすぎて検索だけして他人のブログ読んだだけで「わかった気になる」というの、あるあると思いました。論理の整合性や正当性なんかはネットで色々読むことができるけど、「納得した!」というためには自分で考えるという手間暇が不可欠だよなあと思うところ。

Q ブログを書くコツのようなものはありますか?

A ブログは自分のフォーマットを作ってしまうとラク。3パターンくらいあったほうがいい。
・こんなの見つけた、食べた、買った、作った、観た
・オレはこう思う
・しかし他の側面もある
みたいなものをカスタマイズして持っておく。
量としては、2000字あれば十分、2000字あればなんでも書ける! と思って書こう。
・自分の記事で評判の良かったものを分解してみて、自分のいい要素を見つける。そして自分のいい記事のフォーマットをパクる。

フォーマットと自分の記事分解、というのはなるほどと思った。多くの人は無意識で書いてるというか、そこまで自分の芸風みたいなのを意識してないと思う。で、芸能人とか著名人のブログはけっこうフォーマットがあるんだよね、それは強く認識した。フォーマットがウケて軌道に乗るパターンというのもあって、「じゃあの」の竹原や出川哲郎パターンというのは面白い。一般人はそこまでキャラクターが立ってない分、フォーマットはもっと明確にしていいぐらいかもしれない。

自分のいい記事を分解するのは今度やってみようと思う。まあ僕は大当たりした記事とかは特にないので、被リンク数やブクマ数平均値で分析するのが良いような。とはいえ、そっちに引っ張られすぎると世の中には人の感情逆撫でするような記事とか炎上するようなネタというのも広い意味で「ウケる」うちに入るので、そっち方面にはいかないように注意したいものです。

Q 思考法について、具体的なコツはありますか?

A 僕は「フレームをひく・よる」というファクターを使ってる。思考の対象としてるものに「寄る」「引く」という考え方。例えば映画のカット。2人のアップがある。バックに引いていくと、レフ板を持ってる人や、カメラマンがいる、もっと引くと、監督がいる、もっと引くと、彼らがいる建物がある、みたいな。さらにはその建物内には重役がいる、出資者がいる、という風に物事を構成する要素をフレームを引くことでとられやすくすることができる。これが「外側に引いて、構図をどんどん広くする」パターン。逆は「フレームを寄る」だね。この寄り・引きのコツをつかむと考え方が柔軟になるし、思考・発想の向上にもなると思う。「ミッキーのキー」というキャンペーンがあって、キャンペーンを考えてる人の視点になったり、ミッキーの気持ちを考えたりする、そういうのが寄り引き。どのフレームで語ると面白いのか? どのフレームで一番自分が語りやすいか? というのを意識しておくのが大切。

こういうのもなんだろう、無意識の具体化って感じでなるほど感が強かった! フレーム寄るとどうなる、何が見える、引くとどうなる、何が見えるっていうのは考え事をするときにごちゃごちゃしたものを整理したり面白い話の展開に使えるツールだと思う。これはもう日々の鍛錬ですなあ。

Q みうらじゅんは師匠、について詳しく聞きたい

A みうらじゅんは心の師匠なんです! 自分の好きなものをマイナーからメジャーに持って行く、その視点、手法が凄い。動員は多いけど売り上げは少ないという特殊性は興味深い。東京でみうらじゅん100冊展っていうのやってて凄いんだけど、あんなにもメジャーで知名度高くって武道館やドームでイベントもやってるのに、あんなに(本の)代表作知られてないし売られてない人も珍しい! そういう色んな点で、岡田斗司夫の今後のために参考にしていきたいと思ってる。

第1回あたりのひとり夜話で言ってた話のおさらいかな。僕の過去ログからの引用です。

http://d.hatena.ne.jp/Fujiko/20091018
東京ドームへの道、どうすればよいかの戦略
みうらじゅんを模倣しよう、ということで分析、メジャーでみな知ってるがはやりすたりがないもの、テレビにでないようなものを勝手にみる、あつめる、楽しむ。カスハガいやげもの、飛び出し坊や、天狗など

▼なるほど学会、略してな学会、と学会の敵

▼仮面をかぶるキャラ付けはどうか?

▼理屈で無理矢理ネッシーやUFOを理屈で考えていくという遊びをする

↑こういう話だった。

Q 1980年8月号ぐらいのホビージャパンについて

A あったあった!

これはなんか僕はようわからんかったので割愛。原稿書かれてたんだけどペンネームが岡田斗司夫ではなかった、という話でありました。あと映画「ブレインストーム」をひいて平和ー展開ー混沌ー平和という王道パターン、というメモがあるんだけど、どういう質問でこれが出たのかは覚えてない(笑)

Q 岡田さんはいつも質問への回答がシャープで凄い!(質問じゃないな)

A 引き出しは自分自身では忘れている。面白い質問だからこそ、勝手に引き出しがあいて答えが出る。質問に勝る答えはないよ!

おお、カッコイイ。

Q ウォーボードゲームシミュレーションという滅び行く趣味をやってるんだけど、今後どうすべきか?

A まず、シミュレーションゲームは生きているし滅ぶ気配はない。そして、昔他の色んなジャンルの遊びが滅びるのを僕らは見てきたんだから、自分の趣味がマイナーになって滅んでゆくのは(可能性の問題として)仕方がない。僕らがとれる手段は2つ。楽しく滅びるのを見るか、自分自身が中興の祖になるかどっちかだ!

このジャンルについて全然詳しくなかったのでようわからんけど、岡田アンサーには普遍性があるなあと思う次第。オトコの趣味って、栄えては滅んでいくものが多いよねえ……。

Q サイバーパンク小説についてどう思うか?

A ジャンルとして古くなってしまった。技術→映像→小説という、何かをみてこれを作った、というのがかつて数十年あった。サイバーパンク小説は技術の進歩が早すぎて、とうとう誰も書けない分野になっていってると思う。

これはもっと長い問答があったんだけど、僕がようわからんから荒いメモになってしもうた。ここで8時10分すぎ、休憩。

休憩時間に本の紹介。
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が最近読んで面白かった本だそうです。
「どや顔できる知識の仕入れができるヨ!」という紹介で笑った。