それでも町は廻っている 1巻 石黒正数  (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)
それでも町は廻っている 1 (ヤングキングコミックス)
少年画報社 2006-01-27
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
それでも町は廻っている 2 (ヤングキングコミックス) それでも町は廻っている 3 (ヤングキングコミックス) それでも町は廻っている 4 (ヤングキングコミックス) それでも町は廻っている 5 (ヤングキングコミックス) それでも町は廻っている 6 (ヤングキングコミックス)

石黒正数、マンガうまいな〜と痺れた作品。主人公、嵐山歩鳥と彼女の友達、商店街の人々皆キャラクターが立ってて魅力的。「やや」どこにでもいそうな人々なんだけど、作者がひたすらに彼らの性格や公道を丁寧に丁寧に描写することで、それぞれの魅力が引き立ってくる。ゆるやかな恋心、下心、高校生レベルの好奇心、冒険心、かわいらしさが存分に出ていると思う。魚屋、八百屋、クリーニング屋のおっさん達もいい味出してるんだよなあ。また歩鳥はシーサイドという懇意にしていた喫茶店でメイドとしてバイトしているが、このメイドの必然性は特にない。特にないけどギミックとしてしばしば機能しており、ストーリーのちょっとした味付けになっている。


「日常のコミュニケーション」がテーマというだけあって、歩鳥の高校生としての日々、接する人々とのやりとり・ギャグが絶妙なあんばい。面白い! なんだろうな、木村紺神戸在住」あたりがもっとドタバタしてくるとこういう雰囲気になりそうかな。「静の神戸在住」、「動のそれ街」という感じ。また日常の面白さを描いているという要素は「よつばと!」にも共通していると思う。


「それでも街は廻っている」、「それでも」というのは「街の人々に何があろうとも」なのだ。誰かと誰かがケンカしたり、恋したり、亡くなったり。それは日常で起こりうる事で、「それでも」彼ら彼女らのいる(あるいは、いた)街は存在し続けていく。廻っている街の中で、日々を生きて行く事。大切に生きていこうと思っても思わなくっても、時は過ぎてゆく。生活を丁寧に描いており、基本1話完結の構成も見事。何度も再読したくなる読後感、心地よし! A

神戸在住(10) <完> (アフタヌーンKC)
神戸在住(10) <完> (アフタヌーンKC)
講談社 2008-01-23
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
神戸在住(9) (アフタヌーンKC) 神戸在住(8) (アフタヌーンKC) 神戸在住(7) (アフタヌーンKC) 神戸在住(6) (アフタヌーンKC) 神戸在住(5) (アフタヌーンKC)

10巻で綺麗に完結した傑作。震災後の神戸を舞台に、美大生、辰木桂の生活を描く。