傾物語 西尾維新

傾物語 (講談社BOX)
傾物語 (講談社BOX)西尾 維新

講談社 2010-12-25
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内容(「BOOK」データベースより)
“変わらないものなどないというのなら―運命にも変わってもらうとしよう”。迷子の小学生・八九寺真宵阿良々木暦が彼女のために犯す、取り返しのつかない過ちとは―!?“物語”史上最強の二人組が“運命”という名の戦場に挑む。

猫物語(白)の一日前、夏休み最終日からはじまる物語。夏休みの宿題が終わらないからタイムワープしてやりなおそう、というドラえもん的状況からはじまるストーリー(作中でもドラえもんに関する自己言及あり(笑))
忍のパワーでとんでもないスケールの展開になっている!! それはあたかも、大長編ドラえもんのごとし。

人が何かを決意して生きていく覚悟を決める、そのシーンはなんと美しいのだろう。美しさと悲しさと、とてつもない格好良さがそこにある。アララギ君と忍、「非人類」の二人が、仲間のいない世界の中でどうやって生きていくのかという決意の物語と、八九寺真宵の「そのとき」と「それから」。アララギ君はそれぞれのヒロインに、何を思っているのかもくっきりと明確になった。忍と共に生きて死ぬという覚悟。これまでの物語の積み重ねがある分だけ、重く悲しく美しく、格好いい。

これがありなら何でもありだな、という仕掛けがなされているのと同時に、この第2シーズンの物語展開はどんどんとんでもないスケールになっていくなあという嬉しい確信もあった。

フジコビトとしては本文で言及されている「真の藤子ファンとは」に関する話がなんかもうニヤニヤと面白かったな〜。読後感が爽やかだった。猫白の、あの苦しくなるような切なさこそはなかったけれど、十分な面白さだったと思います。B+

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