3月のライオン 6巻 羽海野チカ

3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)羽海野チカ

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学校で友達をかばったために、いじめに合うひな。周りに負けず戦う彼女のために零はできることを必死に捜す。零は元担任の林田先生に「お前にできることを一つずつやりなさい。」と諭され、ひなのために戦うことを誓う。すべての読者の心を感動で震わす「3月のライオン」。戦いの第6巻ここに登場です。 2011年7月刊。

人と、教師と、病と戦う第6巻。ひなたも桐山も野球部の高橋も、他の登場人物みんなそれぞれいいヤツなのに、苦しい苦しい試練が襲いかかる。

この巻では特に、二階堂とひなたの戦いの日々が描かれる。2人とも、真っ当で、必死で、勇敢で。恋愛部分にあんまりスポットを当てていないぶん、ハチクロよりも日常がとんでもなくハードだ。それは現代日本の読者の日常生活自体も、ハチクロの時代よりもハードになっていることが関係しているのかもしれない。本の中に数ページ分ある、カラーイラストが一番ほんわかする癒しってものすごいマンガですよ、これは(笑)

ひなたの担任教師に心底むかついたり、二階堂の闘病の日々を心から応援しているのは断じて僕だけではあるまい! 

なんつーか、シンクロする部分がかなりあるんですよね。僕は幼少の頃に二階堂君のモデルになった棋士と類似の病気にかかって数年間闘病生活を送っていて、インドア生活の時間を有段者の祖父との将棋で過ごしたという経験があって。ゆえにモデルになった村山聖はかつての僕のヒーローだったわけです。「月下の棋士」「聖」もむさぼるように読んだなぁ……。

山崎順慶って風貌とネーミングは完全に筒井順慶からとってる感じなんすけど(山崎も、大山崎の地名からかな)、なかなか怪物キャラで良いと思います。京都在住なので、ラストの京都シーンはなかなかぐっとくるものがありました。わりと象徴的に夜、雲、雨が出てくる本作品ですが、ラストも「薄曇り」という表現。皆が晴れになりますように。きっと読者は一人残らず、皆の幸せを祈っている。

ともかく、頼むから二階堂君は死なせないでくれ、と読者の僕も心から願っているんだよ! 色んな想いが迸る第6巻でした。物語は終わらない! A

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