ライムスター宇多丸さんがラジオで語った、藤子不二雄の魅力とは?
小島慶子キラ☆キラ
http://www.tbsradio.jp/kirakira/2011/08/20110824-1.html
2011年08月24日(水) ライムスター宇多丸 ペラ☆ペラ
言わずもがな、
藤子・F・不二雄さん、藤子不二雄Aさんが大好きの宇多丸さん。
F先生、A先生それぞれの作風など、
コアな情報について、ペラペラ。
宇多丸さんが好きな作品とは・・・
ということで、藤子ネタのポッドキャストというのは珍しいので、文字起こししてみました。
音声は上記リンク先からダウンロードできます!
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はい、ということでね、藤子不二雄と私っていう。
もうどっからね、何していいかわかんなくなっちゃって。
小島
そうね。大変よ。
困ったと思って。
とりあえずこれなんかどうだろうと思って、
藤子先生のファンクラブで「ネオ・ユートピア」ってのがあって、
そこが本を出してるわけ。ファンジンっていうか。
今日何冊か持ってきたんですけど、
単行本未収録作品が載ってたりして、そういうのもいいんですけど、
今さっき打ち合わせのとき読んでて、
藤子先生のドラえもんの下ネタのシーンだけ集めたっていう
ページの見開きがあって。
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@ネオ・ユートピア
藤子不二雄ファンサークル ネオ・ユートピア
小島
それ貴重なシーンですね。
はい、小島さんのお母さんが、
小島さんの幼少時に「ドラえもんは読んでいいよ」と
言われたことがあったっていうんですけども、
それって要するに「ドラえもんなら健全であろうから」
という判断なんでしょうけどね。
小島
はい。
(ところが)どうですか!
下ネタのオンパレードですよ。
スネ夫はすぐおしっこもらす。
のび太もおしっこジョバー。
これ、おしっこもらすシーンだけ並べると、
もうなんだかな(笑)
あと、おならネタがやたら多いという。
小島
はとプップとかね。
そう、はとプップ。
あと鼻くそ多いですね。
小島
ほんとだーおっきい鼻くそが出てる。
クセをなおさなきゃいけないってことで、
クセが大げさになるクスリをこう、
スプレーかなんかでかけられて、
のび太が無意識に鼻くそほじったらでっかいのがとれちゃうっていう。
小島
酒屋の杉玉みたいなのが出ちゃったわけね。
@杉玉
杉玉 奉納酒 奈良 大神神社 / Mixtribe Photo
で、ここに使われている(スクリーン)トーンが
「鼻くそトーン」と呼ばれる非常に気持ち悪いやつでね。
あとあの、人の暮らしを覗きみるみたいなやつで、
クラスメイトの名前ないキャラの
「溜めた鼻くそがこんな大きなボールになった」とかですね。
@鼻くそトーン
小島
ああー汚いシーンいっぱいあるじゃない!
とかですね、体の一部分をたくましくする道具ですかね、
のび太の手が太くなった状態で、
しずちゃんに「それよりおっぱい大きくしたら?」(笑)
小島
ああ(笑)
というものすごくデリカシーのない(笑)
小島
手におっぱいみたいなパーツを持ちながら(笑)
「それよりおっぱい大きくしたら?」って
ものすごいぶしつけなこと言ってますよねー(笑)
あと、ジャイアンが直径5センチのおならをしたとか言ってね。
小島
うん、
こういうところで小学生はもうゲラゲラゲラゲラですよ多分もう。
そうなんですよー。
小島
息が出来なくなるくらい。
そうなんです。
小島 息子なんか多分大笑いしてると思う。
小学生のツボをおさえたネタがねー。
これ、F先生でこのザマでしょ、
でね、下品度でいうとやっぱA先生はやっぱ比じゃないんですよね。
前もちらっとお話したと思うんですが。
小島
あら、そうなんですか?
オヤジ坊太郎っていうね、
今日持ってきた藤子A先生の(作品)。
これまずキャラクター自体がもう意味不明で。
@オヤジ坊太郎
オヤジ坊太郎 (1) (藤子不二雄Aランド (Vol.081)) 藤子 不二雄A ブッキング 2004-02-12 by G-Tools |
小島
あんまり可愛くない(笑)
要はちょびひげはやした子供で、
頭の1本の毛を引っ張ると、
なんかこう、金持ちの大富豪に変身するんですよ、バーンて。
小島
バーンて(笑)あははは。
で、そのカネ、要はこの、大人の欲望っていうか、
「子供だからできないこと」ってあるじゃないですか。
小島 大人ならできるのにーっていう
そう「大人は(子供だと思って)バカにしやがって」っていう。
で、大人に変身して、しかも超金持ちの大人に変身して、
欲望の限りを尽くすというね。
小島
ああー。
そういう話なんですけども、
やたらとやっぱりこちらでもですね、
例えばえー「**(うきん?)少年合唱団」っていう
超くだらないアレで、
そこでまあ少年合唱団っていうので登場する
3人の悪ガキたちがまたすぐ緊張してね、おしっこもらす(笑)
小島
あーほんとだ。
「ミギャー」「ギャー」っていうね。
もう絵がもう(笑)
小島
鼻水とかヨダレとか全部出てる。
僕らが考える「藤子不二雄的な世界」からもうほど遠い(笑)
小島
もうねーひどいですよ(笑)
そんな世界になってるでしょ(笑)
小島
PTAで大問題にね(笑)
あとその、おしっこもらすとかもいいんですけどね、
この場面がものすごい好きな場面で、
えーオヤジ、その坊太郎とそのお父さんがですね、
しょぼーんとしておでん屋に行くんですよ。
小島
うん。
で、おでん屋のオヤジは、
こっちのその坊太郎のほうがお父さんだと思ってて
「親子2人で水入らず、おでんなんか食べて 嬉しいニー」
なんつって、鼻水すすりながら
「あっしもお客さんくらいの息子がいるんですが、とんと親不孝でニー」つって、
したら鼻水がツツツツツーって
(坊太郎親子は)2人で「アアアア、アー!」
(鼻水)「ツツツツツー」
(鼻水)「チャポーン!」(笑)
小島
ちょっと! ハハハハハ。
おでんに、それでバシャバシャバシャ(笑)
小島
おじさんかきまぜちゃった!
おじさんおでんかきまぜちゃった!(笑)
で
「はいはい、さあさあおでんは何にするの?」
「バシャバシャ」っていうね(笑)
小島
イヤアー(笑)
はい、こういうのがあったりしてねー。
これまあちょっとすいません、
ネオ・ユートピアとは何の関係もなくなってしまいましたけども、
あのーそのね、
このファンサークルのネオ・ユートピアさんが出してるこの本、
ほんと凄い面白くて。
小島
随分充実した雑誌ですねー。
はい、あの、単行本未収録でいうと例えばですね、
A先生のほうのブラック短編みたいなのがあるんですよ。
すごい有名なのだと、えーと「明日も日曜日、そして明後日も……」
だっけな、とにかくその、
ニートっていうか引きこもりみたいなのをこう、
予言したようなね。「そしてまた明後日も」か。
こう、ようはさ、社会に出るのが怖いっていう青年の不安をね、
こう、描いたりしてて。
それのこれはね、えーとネオ・ユートピアの、
これちょっと後から出た復刻版なのかな。
とにかくあのー単行本未収録だよ。
「わが分裂の花咲ける時」っていうね、
有名なやつで、受験生のこう、ちょっほらA先生のこういう。
小島
ああ、(ペン)タッチが怖い、怖めな。
タッチがおっかないタッチですよ。
で、受験生でもう何浪もしていて、親のプレッシャーもあって、
要は彼が段々発狂していく様をですね、
えー、それを描いているだけのあれなんですけど。
小島
ああーけっこうダークなトーンですね
ダークなトーン。
で、こういろいろあって、
「祭りだ!」なんつって、
頭の中でお祭りが始まっちゃうわけですよこの青年の中で。
小島
うわあ、その頭の中のお祭りの絵が怖い!
そう、怖い。
で「祭りよ終わるな!」
「祭りが終わっちゃう−!」なんて言ってるんですけど、
でも「ああ! 祭りが! 祭りが戻った−!」って
青年がリアルなこの絵で。
で、最後「祭りが戻った−!」頭の中で花火がドーン!
これで終わりですからね。
小島
わあーシュール……
これでもう発狂しちゃったみたいなのがあらわされちゃってる。
で、これ単行本未収録なんで、
これはあのーネオ・ユートピアの
これは第三期復刻総集編ってこれ99年くらいに買ったやつかな。
でも今でもネオ・ユートピア出てますんで
皆さんちょっとあのー、
要は愛情あるファンが作った色んなあれが書いてあるんで、
これ読むとですね、
とにかくF先生もA先生も含めて、
藤子不二雄作品が読みたくてしょうがなくなる!
っていうね、効果があります。
あとですね、ちょっと最後に一言いっておきたい。
小島
はい。
えーと、わたくし、藤子不二雄ワールド、
まあ一番好きなのはオバQなんですけども。
@Qちゃん
オバケのQ太郎 1 (藤子・F・不二雄大全集)
小島 ええ
Qちゃんのことを考えるともう
「Qちゃあん、Qちゃんかわいいよー」ってなっちゃう。
Qちゃんは別格とすると、
一番藤子不二雄先生の色んな作品の中で一番好きなキャラクターは
「ゴンスケ」! ってわかります?
小島
見たことある。
ゴンスケ。
「21エモン」と「ウメ星デンカ」との
両方に出てくるロボットなんですけども。
@ゴンスケ出演作品
藤子・F・不二雄大全集 21エモン 1
ウメ星デンカ 1 (ぴっかぴかコミックス)
小島
あ、両方読んでた。
(話の)筋とか覚えてないけど見たことありますよ。
はい、でーまあこういう形のね、ほっかむり。
小島
ほっかむりロボットみたいな。
ほっかむり。要はまああの、芋掘りロボットっていうんですけどね。
小島
ふーん、なるほど。
で、とにかくコイツがですね、
性格がホントにエゴイストでしてね、
あと守銭奴で、
あのほんとどうしようもない性格最悪のヤツなんですけども。
小島
あははは、そうなんで(笑)
はい、でもやっぱゴンスケがねームチャクチャ面白いんですよね。
小島
へえー。
例えばそのウメ星デンカの中だと、
ここに出てませんけどー、
袋貼りの内職してるんですよゴンスケが。
小島
ゴンスケが。
で、ある袋を見て
「ハ! これはとんでもない名人が作った袋に違いない!」っていう。
で「ただの袋に見えるけどなあ」って(やりとりがあって)
その袋作ってるおじさんのところにいって「弟子入りしたいダ!」つって。
小島
ふふ(笑)
なんか東北弁なんです、「弟子入りしたいダ!」
で、なんか「コツを教えてくれ−」っていうんだけど
「いや、こうやってノリをつけてこう貼るだけ」つって。
「そんなはずはねえだ!」つって、
まあこうつきまとった挙げ句ですね、
なんか頭ぶつけちゃって、袋貼りのおじさんがおかしくなっちゃって、
ノリをばらまきながら「ギャピー」みたいになっちゃって、
で、ゴンスケはそれをマネして家の間中に、家の中にノリをばらまく。
小島
あーこれがコツだって。
ええ。なんかムチャクチャなことになるっていう、
ウメ星デンカに出てくるエピソードなんですけども、
はい、案の定とりとめもなくなってしまいましたが(笑)
小島
いいのよ、愛を語るっていうのはとりとめがなくなるのね。
なんか、、、しんみりしちゃいましたね!(笑)
小島
いや、してないよ!
ていうペラ☆ペラでした!
小島
どこもしんみりしなかったよ!