NANA 11巻 矢沢あい

NANA―ナナ― 11 (りぼんマスコットコミックス)

NANA―ナナ― 11 (りぼんマスコットコミックス)

ハチが妊娠して、それでもなんとか生きていこうと思っているところ、ナナがどんどん精神的に孤独になっていく巻。うーむ、11巻分けっこう猛スピードというか、本当になかなか飽きさせることのないジェットコースター展開でさすがだと思った。少女マンガにしてはコマは多いほうだと思うし、1巻読むのに時間がかかる。1巻読むのに時間がかかるということは、1話読むのに時間がかかるということであり、「読み応えのあるもの」を創っていて矢沢さんはえらいなあと思った。画力、構図ともに申し分なし。でもこう、明るい笑いというか楽しいギャグ要素はやっぱりハチクロのほうがたくさんあって、僕はよく比べてしまうんだけど、ハチクロは主人公たちが大学生及びその周辺という事で、ハチクロのほうが感情移入しやすいんだよなあ。あと、NANAのレンはハッパをやってて(マリファナだっけ?)、それは良くないと思った。「エエーッそういうのアリなん? 読者に見せるのアリなん? そういうマンガなん?」と思ったのであった。マンガでも、日本において倫理的、法律的に非難される可能性が高いものを、人気ミュージシャンだからってOKとするのか? NANAがターゲットとしている、すなわち連載している雑誌の読者層がそれを読んで、どう思うか考えないんだろうか? ここが疑問である。面白さとは別の観点で、気になったのであった。B

羊のうた 6、7巻 冬目景

羊のうた (第6巻) (バーズコミックス)

羊のうた (第6巻) (バーズコミックス)

羊のうた (第7巻) (バーズコミックス)

羊のうた (第7巻) (バーズコミックス)

マンガ喫茶にて読了。羊のうた、これにて完結。最終巻のクライマックスは凄かった。主人公の2人がほぼ心中的なことをなさっているのだが、八重樫さんホント置いてけぼりだよなあこのマンガ……。かわいそうだ。でもああいうシチュエーションで心中を選んでしまうあたりが若いなあというか高校生的でそういう感じだなあという妙に複雑な気分になって、少し悲しくなってくる。全体として重苦しく悲しげな物語だった(けどこのマンガはそういうところがけっこうウリのマンガでありそこに対して批判、非難は全くなくて、7巻でよくうまく完結してよかったなあと思うのでした)。巻末にあった、作者へのインタビューはまだ全部読んでないので、いつか読んでみようと思います。B